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たまには師匠っぽいこと言うなぁ。いつからお父さんになったのか知らないけど。ステージ上のカリスマもいくらかは…。
「早く孫の顔見せろな」
「はい?」
…残ってなかったか…。
「俺が許可する!」
玲次は空を仰ぎ、何とかシラを切ろうとしている。そりゃもう、僕たち清い仲ですから。
「許可せんで下さい!」
慌てて言葉を返すと、崇純さんは面白そうに笑う。
そこへ、黒髪ロングヘアーな美形が一人。
「ご苦労さん、龍樹」
ベースの忍さんは何と気のつくことに、オレンジジュースを瓶で一本なり持って現れて下さった。
恐縮しつつ、グラスで受ける。それからビールをつぎ返していると、忍さんは微笑しながら言った。
「うちに来た時は、まだまだガキだと思ってたのに」
思ってたのに?
「こんな男作っちまうし、なあ?」
「今でもガキですっ!」
思わず意味不明な反論をしてしまい、ビールを零しそうになる。こんな調子で、いつも忍さんのいいカモにされ続けてたんだった…。
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