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 彼はステージの上から崇純に尋ねる。物理的に上からの目線で聞かれたのが、また癪に触る。 「俺を! 今、笑っただろ!」 「違うよ、ただ」 「バカにすんなよっ」  彼の弁解など聞く耳は持たなかった。腕をまくりかけたところに、スタッフが駆けつけて来て、崇純をとりなす。 「離してくれよ!」 「そういうのは終わってからにしてよ」 「…っくしょー」  唇を噛み、何とかそこでこらえた。 「お前、名前は!」 「アッシュ。ノアールラムールでヴォーカルやってます。よろしく、崇純くん」 「お前の顔なんざ見たくねぇ!」  にっこり笑って裏へ戻っていくアッシュに、言葉を投げつけた。
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