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太陽を見るたびに、私の赤ちゃんはどうしているだろうと、リアムの故郷を浮かべた。
自分が意識できるような大きさでもなかったし、この世界の医学では妊娠したか調べられる大きさでもなかったと思う。
でもリアムが妊娠していたと言うから、それは間違いなく私の赤ちゃん。
男親なら相手もわからないから自分の子供じゃないと言えるけど、この私のお腹にいたものを自分の子供じゃないなんて私は言えない。
うんでもいないし、私の子供じゃないとしてもいいのかもしれないけど。
私が恋しい。
ただ、2人目は私も知らなかったもの。
本当にいるの?という興味もある。
2人目が欲しいとリアムに望むより、今はその子に興味ばかり。
消えてしまったあれが本当の私の体なら、今頃ここにいて、私のお腹も大きく膨らんでいたはず。
お腹を撫でて、そこにはいないけど、その子のことばかり考える。
ヒナタは着々と魔法を習得。
なんでできるのーっ?と一緒にやってる私はまったくできないのに、できない私に自慢するかのようにヒナタは自由にものを動かしたり、手元に瞬間で移動させたり。
いたずらをするとさすがにリアムが怒ってくれて、ヒナタが魔法を使えないようにしてくれる。
それでもやんちゃ坊主、魔法が使えない間はおとなしくいい子にしてくれるのに、魔法を使えるようになったら家の中でいたずらしまくり。
これは一生魔法使えなくしたほうがいいと、ヒナタにやられたヒナタの嫌いなピーマンの細切れを見て思う。
食材無駄にしやがってー!と思いながら、ピーマンだらけのチャーハンを作ってあげる。
お母さんは負けません!
とは言っても、さすがに解体された洗濯機やいきなり飛んでくる玩具には痛い思いをさせられてうんざり。
リアムは魔法で簡単に洗濯機を直して、ヒナタが飛ばしてきた飛行機の玩具にぶつかって物理的に痛くなった私の体を手当してくれて。
「ヒナタ、おまえだけ俺の故郷いってくるか?」
お仕置きかのようにヒナタに言った。
すぐ死にそう。
お城で迷子になってごはんも食べられなくて死にそう。
「死ぬから、リアム」
それはお仕置きがすぎる。
「誰かに魔法でひどいことすれば誰も近づかなくなって食事を与える者もいなくなる。因果応報な体罰でもないいい方法じゃないか?」
「で、死んじゃうよ」
「死にかけたら戻す」
それならいいかも、なんて私が思っていたら、ヒナタは私が死ぬ死ぬ言ったからか、泣いて怯えていきなり謝る。
脅しになってしまったらしい。
「いやだーっ。ごめんなさーいっ」
「魔法は好きなだけ、どこでも使えるからいい練習にはなるぞ?」
リアムが言うとお化け屋敷に1人でいかされるかのように泣きまくる。
「そこまでひどいところじゃないよ?みんな優しくしてくれるはず」
私は一応フォローしておく。
大変な世界だからこそ、助け合おうとするというか。
迷子がいたら声をかけてくれると思う。
ヒナタはぎゃんぎゃん泣きまくった。
完全に追い出されると思っているようだ。
お母さんが何事かと部屋から出てくると、私とリアムに虐められたと言わんばかりにお母さんに泣きついていく。
「どうかしたの?」
「いえ。魔法で遊びすぎているので俺の故郷に1人でいかせようかと思ったら…」
お母さんにリアムは答えて、そのリアムの声をかき消すかのようにヒナタは声をあげて泣く。
「男なら泣くなっ」
いい加減、びーびーうるさいとヒナタに言ったら更に泣いた。
というか、それ、もうこっちを脅す泣き真似になってる。
涙も出てないし。
「ヒナタ、洗濯機壊したもんね。前はエアコンの上に登ってエアコン壊したしね?玩具も粉々にしちゃったよね?」
お母さんは今までやってきたヒナタの悪事を口にして、ヒナタは声で脅しての泣き落とし。
「いってらっしゃい」
お母さんは容赦なく言ってくれて、地下室へとヒナタの体を押そうとしてヒナタは嫌がって足を強く踏ん張って、逃れるように私にしがみついてきた。
「いってらっしゃい、ヒナタ」
私も容赦なく言ってあげて、ヒナタはリアムにしがみつく。
「いってらっしゃい、ヒナタ。向こうには俺の兄と母がいるから。おまえが行儀よくできたら問題はないはずだから」
ヒナタはリアムが自分を送り出そうとしていることに気がついたように、青い顔を見せて頭をぶんぶん横に振る。
脅しまくったし、もういいかなと私は思っていたのだけど。
ぱっと、いきなり目の前からヒナタは消えた。
いきなりのことに私はまわりを見渡して、ヒナタが魔法でどこかに隠れたのかと探した。
「リアムくん、なにも持たせずにいかせちゃってよかったの?」
お母さんは本当にいかせるつもりだったかのように言って。
「いや、今のは俺じゃなくて…。たぶん兄がヒナタをあっちに召喚しました」
リアムはそんなつもりじゃなかったと言うように言ってくれる。
「と、透明化して、そのへんにいるとかじゃなくてっ?」
私はあせってリアムに聞いてみる。
「いない。ヒナタを家の中に感知できない」
リアムは私に答えて地下室へと向かう。
私はリアムについていく。
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