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 「リアム様はギルデロイ様とアイリ様のお子様でございます。貴方様の立場を慮って隠しておられましたが、自分の生い立ちを知っておられます彼は、誰よりも人間とエルフ両方を愛しておられますよ。きっと援軍に駆け付けて来られましょう」  ハリスはそう締めくくった。 「例えリアムが駆け付けてきても、ヒールが落ちれば、俺たちもいずれ、膨大な数の敵が押し寄せてきて飲み込まれる」  この戦いに勝つ唯一の策は、三人の兵力を集中して、三方向の敵を一つずつ撃破することであった。しかしギリアスのせいでその芽は摘まれてしまった。 「ああ、もう一つ忘れておりました。実はヒール様に関しても伝えてないことがございます。彼はサイリーンの息子でございます。自分が認めざるを得なかったギルデロイ王に、自分の子を託したのでございます。リアム様が上手く説得なされれば、そろそろ駆け付けて来ましょう。……おや、何か聞こえませんか?」  ギリアスは耳を澄ませた。わああと(とき)の声が聞こえる。  ハリスはにっこりと笑い、ギリアスは弓を手に取った。
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