DOOMS DAY

1/2
13人が本棚に入れています
本棚に追加
/4ページ

DOOMS DAY

かつて、その星は平和だった。 戦争やテロが皆無という訳ではなかったが、 一部の地域の紛争を除けば、概ね、人々は 平穏に暮らしていた。 ………あの日……… アグリッピナ彗星が激突し、『最後(ドゥームズ)審判(デイ)』を迎える迄は………。 大国に大きな衝撃を与えた、その隕石の災厄は………国土を破壊するに(とど)まらない。 彗星の破片は空に赤く舞がり、地上に火の雨を降らせた。 澄み渡る大気を赤黒く染め上げた粉塵は、 それまで、その地に存在しなかった未知の ウイルスを蔓延させ、地上を地獄へと変えた。 『アグリ・ウイルス』――――― 彗星の名に因んで、そう名付けられた小さな 悪魔は猛威を奮い、人類の大半が死滅した。 その日を境に、地上の全てが変わる………。 赤黒く醜い惑星『グロテスク』……… かつては青く、美しい……… 『地球(テラ)』と呼ばれる惑星だった。 ――『グロテスク創世記』より――
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!