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DOOMS DAY
かつて、その星は平和だった。
戦争やテロが皆無という訳ではなかったが、
一部の地域の紛争を除けば、概ね、人々は
平穏に暮らしていた。
………あの日………
アグリッピナ彗星が激突し、『最後の審判』を迎える迄は………。
大国に大きな衝撃を与えた、その隕石の災厄は………国土を破壊するに止まらない。
彗星の破片は空に赤く舞がり、地上に火の雨を降らせた。
澄み渡る大気を赤黒く染め上げた粉塵は、
それまで、その地に存在しなかった未知の
ウイルスを蔓延させ、地上を地獄へと変えた。
『アグリ・ウイルス』―――――
彗星の名に因んで、そう名付けられた小さな
悪魔は猛威を奮い、人類の大半が死滅した。
その日を境に、地上の全てが変わる………。
赤黒く醜い惑星『グロテスク』………
かつては青く、美しい………
『地球』と呼ばれる惑星だった。
――『グロテスク創世記』より――
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