《10歳男子の日記》

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《10歳男子の日記》

○月×日 机を整理していたら昔のノートを見つけたので、日記というのをしてみることにした。 今日はいつものように学校に行った。 とくべつ変わったことはなかったけど、先日来たばかりの新しい先生の初めての授業だった。 とても時間に厳しくて、授業開始5分前に教室に入っていなかったユキオはこってり怒られていた。 ○月△日 今日は調理実習があって、みんなでクッキーを作った。 ミドリちゃんが作ったクッキーを誰が食べるかで、タナカとアリタが喧嘩していた。 結局クッキーは女の子たちで食べていた。 ○月××日 今日は早く授業が終わったので、いつもの5人で遊びに出かけた。 最近のブームは鬼ごっこだ。 とくに、パークでやる鬼ごっこが1番楽しい。 先生が言うには、パークは僕達のために作られた公園なんだって。よく分からないものがいっぱいだけど面白い。なんとかパークってちゃんとした名前があったはずだけど僕達には発音が難しくて覚えられない。 ×月×日 今日はパークで遊んでたら、いっこ遊具が壊れちゃった。 僕たちの肩ぐらいの高さの大きい箱2つの間に、薄い板が挟まってる感じ。 その板が扉みたいに真ん中で開くんだけど、そこが動かなくなっていた。 みんなでどうしようって言ってたら、作業服を着たおにいさんが来てちょちょちょいって直してくれた!ありがとうを言ったらニコって笑って頭を撫でてくれたんだ。かっこよかった! 『カイサツ』も直してもらって喜んでるよね! ×月○日 やっぱり僕のいちばんの友達はヨシヒコ! ヨシヒコは小さい頃からずっと一緒にいる。いつから一緒にいるのか分からないくらい。僕もだいすきだし、ヨシヒコも大好きって言ってくれるんだ。 今日も、一緒にパークの『シンゴウキ』で、どっちがポールを早く登れるか競争した。負けちゃったけどすごく楽しかった。 ×月○○日 今日はとてもびっくりしたことがあった。 いつもは優しい先生が、ある授業でものすごく怖い顔をしたんだ。 その授業は『チキュウ』っていう隣の星の話だった。 その星の人類たちは、僕たちの星からしょっちゅう子供を奪っていくんだって。『チキュウ』は子供が少なくなっちゃて、どうにかして子供を手に入れようとしてるって。なんて怖いんだろう。 でも、あなた達は私たちがしっかり守りますからねって優しい顔に戻った先生が言ってくれてとても安心した。
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