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鈴也side
「お前らは誰だ!」
「僕は、神楽空羅だよ」
「上林那智」
「空羅と那智だな!よろしくな!那智のとなりで寝ているやつは誰だ!」
近くで話し声が聞こえる
いつの間にか寝ていたようだ
目を開けながら顔をあげるけれどまだ完全に脳は働いていないらしく
思考に霧がかかっているようだ
「おはよぉ、今何の話ぃ?」
「那智、鈴也を伏せさせて!」
どんなときも冷静で滅多に自分のペースを乱さない
ケンケンから焦りの声が聞こえた
けれども、その言葉の意味を俺は理解できなかった
その瞬間自身の頭が決して弱くない力で押さえつけられ机に叩きつけられる
「いッッ」
机にデコと鼻が当たり痛みで眠気がなくなる
「ちょっとぉ、那智なにするのぉ!」
机に当たったデコと鼻を撫でながら涙目でなっちゃんを見る
なっちゃんは若干顔を赤らめていた
「お前が危険な顔をしていたからな」
「今もそうだけど寝起きの涙目は最強過ぎる、無防備可愛すぎ」ボソッ
「ほんとにあれはダメだよ。危機感持たないと、謙はもう少し自重」
「なんのことぉ?」
本当に意味がわからなくて首をかしげた
周りを見渡すと顔を赤らめているクラスメイトと不自然に空いている席
そして昨日会ったばかりの転校生…転校生!
あぁ!と大きな声を出しそうになるのを必死に止めながらまるで
初対面かのように言う
「君誰ぇ~?もしかして噂の転校生君?」
転校生もそのつもりだったのか不自然な間なく会話が続いた
転校生イベが見れなかったのは悔しい
昨日の報告会からして食堂イベは見込めなさそうだったからせめて見たかったのに…!
「俺は、寺雷毬だぜ!お前は誰だ!」
「俺はぁ~、棟梁鈴也ぁ。」
「鈴也か!よろしくな!」
そうやって話しているとクラスメイトたちは我に返ったかのように
口々に言う
「麗愁様だけじゃなくて那智様や鈴也様にまで話しかけるなんて!」
「神楽様の顔絶対ひきつっているよ!見えなくても分かる!」
キンコンカンコン
チャイムの音が鳴り響く
と共に
「これで、SHLを終わりにする」
いつもと変わらない言葉締めくくられた
授業は本当の非王道転校生のような授業妨害をする騒がしさではなく
授業の進行に影響がでない程度の明るい騒がしさ
けれども同性愛などの異常さで忘れられているかもしれないけど
ここは毎年倍率が4倍になるほどの進学校
少なくとも授業中は静かだったからクラス内の転校生への険悪感が倍増した
そんな授業も終わり昼食の時間
ついに食堂イベが始まるのかと思うとわくわくしてくる
教室イベが見れなかったことへの後悔が消えていないが
食堂イベに少しの希望を持つことにし食堂に向かおうとする
「なっちゃんとくぅちゃん!今日食堂行くよねぇ!?」
「俺には聞いてくれないの?」
ケンケンが拗ねたように言うが俺は知っている
今日部活のミーティングがあり一緒に食べれないことを
というか、前に本人から聞いたからあえて聞かなかったけど
聞いてほしかったらしい
「だってけんけん、ミーティングがあるんでしょ~」
「そういえばそんなこと言ってたね」
「早く行ってこい」
「それでも一応聞いてくれないと仲間外れみたいで寂しいじゃん」
「めんどくさい彼女みたい」
くぅちゃんにバッサリと言われ落ち込んだらしく
とぼとぼと歩いていった
その成り行きを見ていた転校生が
「なぁ!俺も一緒に食堂に行きてぇ!」
と言い出した
3人で顔を合わせる
といっても1人は顔が見えないから3人で向き合いはするけど実際顔が見えるのは
2人だけだけどね
なっちゃんとくぅちゃんともにめんどくさそうな顔(雰囲気)をしていたけど
一緒にいた方が間近でもしイベが起きた場合存分に堪能できると言う欲望に負けた
「いいよー!一緒に行こうかぁ~」
瞬間2人から咎めるような雰囲気がした
背中に冷や汗がたれるが萌えのための犠牲はつきもの
気がつかない振りをして3人とクラスを出た
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