食堂は騒ぐ場所

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譲られた席に座り、備え付けのタブレットを持ちながら注文を聞く 「なに食べるぅ~?」 「もしかしてそのタブレットで注文するのか!?」 「そうだよ?そういえば謙も驚いていたね。これは外部からしたら普通じゃないのかな」 「すげぇな!!!!」 くぅちゃんは空気と化していたなっちゃんに問いかける 普段なら普通に会話に入ってくるなっちゃんが今の今まで沈黙を貫いていたから 違和感が凄かった 「どうでもいいだろ。俺天丼特盛」 「俺、オムライス!!!!」 「俺はぁ、サラダボールと卵サンド~」 「鈴也いつもそれだけどそれで足りるの?」 「少なくないか!!!!俺の食べるか!!!!」 「女みてぇなメニュー」 「むぅ。俺はこれで足りるのぉ~」 食べる量についてはいつも言われるけど これが僕の美味しく食べられる量だから仕方なくない? みんなが食べ過ぎなだけ 「はいはい。分かったからむくれないの」 「子供みたいだな!!!駄々っ子か!!!」 「直球すぎぃ~。もっとオブラートに包んでぇ~」 「お前にオブラート使うといくらあっても足りねえよ」 「ちょっとぉ!失礼すぎない~?」 キャー!! 突然、空いた扉の方から悲鳴が上がり視線を扉に向ける 「なにかあったのか!?」 「うぜー」 転校生は俺達以上の歓声に驚き、なっちゃんは不機嫌そうに眉をひそめ くぅちゃんは今日は悪日かなと呟いた そう沢山の歓声を浴びながら食堂に入ってきたのは俺を抜いた生徒会メンバー総出 俺達が来た時以上の歓声が食堂内に響き渡る それもそうだろう。生徒会はデリバリーサービスを使うことができるため 日頃食堂を使うことがないため ふたりが振り向き俺の顔をみて疑問をぶつけていたが 生憎俺はなにも聞いていないため首を振って知らないを示す もしかして、一日たって転校生に興味が湧いたと言う奇跡起きちゃったかもしれない 一度は嫌ったものの思い直してみれば魅力的で会いたくなったとか良くない!? そんな考えが頭をよぎりいまだに扉付近にいる会長たちを期待の目で見る 扉付近で会長達は何かを探すかのようにあちこちに目をやっていた 親衛隊のチワワやゴリラは探し人は自分かもと自己アピールをしだした 「会長様ー!僕はココですよー!」 「夜のお相手探しですか!?」 「副会長様俺とベットの上で運動しませんか!?」 等という食事中には相応しくない言葉が飛び交う 王道展開への期待に心を踊らせながら会長達に転校生の場所を教えるため 手を振ろうとした瞬間いっちゃんと目があったのを感じた いっちゃんが隣にいたちーちゃんになにかを伝えた するとちーちゃんがこちらに向かって歩いてきた 「こっちに歩いてきたぞ、お前目当てじゃねえか!」 「なにか、やり残しがあるんじゃない?」 (あいつら、1人は見覚えねえけどそいつ以外は昨日のパーティーに出席してた奴等だ) しかし、本当に俺目当てなのだとしたら理由がない 仕事は終わらしたし、今日の集まりもなかったはずだ 熟慮しているともう到着していたらしく前に影がさした 「スズ、貴方今日中に出さなければいけない仕事が残っていますよ」
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