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 どうやら本格的に貧血を起こしてしまったらしい。  嫌な汗が出てきて、とにかく頭が重いし、気持ちが悪かった。  体に上手く力が入らない。  こんなことなら、ある程度落ち着くまで園内にいれば良かったと少し後悔したものの、もう手遅れだった。  何とかベンチか、ベンチが駄目なら椅子代わりになりそうな物があるところまで行きたかったけど、もうこれ以上は歩けそうにない。    お父さんは十年前に死んじゃったし、お母さんは今日も仕事だから、こんなことで迎えに来てなんて言えなかった。    お兄ちゃんも朝からバイトでその後用事があるって言ってたし、友達に来てもらうのも悪いし、ちょっと恥ずかしいけど、しばらくここでじっとしているしかなさそうだ。    私が顔を伏せてひたすら時間が過ぎるのを待っていると、急に上から知らない男の人の低い美声が降って来た。 「大丈夫か?」  もう顔を上げるのも辛かったけど、私はゆっくりと顔を上げる。  するとそこにいたのは、二十代半ばくらいの若い男の人。  流暢な日本語だったから、てっきり日本人だと思っていたけど、その人は予想に反して外国人だった。
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