究極の金縛り

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究極の金縛り

その重い瞼の鍵蓋が解かれると、広石穂里恵の両眼は陰なる空間で視界を得た。 暗闇ではあるが、どこか澄んだ黒の昭かり…? とは言え…、そこはカンペキに透徹を纏った漆黒の雅に纏われていた。 だが、彼女の両眼が本来映すべきは、暗がりの中で夜の静寂を醸す自室の天井であるはずであった。 なのに、そんな日常たる証は残念ながら、”そこ”から排除されていた。 そして、まずもっての結論はすぐに出た。 ”えっ!…金縛り⁉” この視界の持ち主である14歳の少女は仰向けの体勢のまま、すでにただならぬ奇異感を誘知していた。 *** さらに穂里絵は、もの凄いスピードでわが身の置かれた今現在を推し量るのであったが…。 ”違うって‼これ…、フツーの金縛りじゃないよーー‼” 中学3年の秋を迎えていたごく平凡な少女は、心の中でド絶叫した。 押し固まってビクとも動かないカラダ、閉じれない瞼のままで…。
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