ここはどこ⁉

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ここはどこ⁉

ここで穂里恵は確信を得た。 まず、今いるここは自分の家ではない…。 現世でカタチを成しているカラダは、おそらく自宅の和室にあのまま置いてきたのだろうと…。 いや…、厳格にはそうではなかった。 肉体から非肉体のワタシが抜き取られ、このおぞましい闇の空間に連れ去られたのだ…。 ”ここはどこなのー‼” ここまでの結論を導いたところで、穂里恵はこう心の叫びを透けた深い闇にぶつけた。 だが、実際は”ここ”がどこであろうとも、この時点の彼女にとって、根本問題は別にあった。 ”なんで、私がここにいるのよ…!” 彼女の本当に欲した答えはこちらの方だったはずだ。 穂里恵のカラダは、当然完全フリーズ状態となっていた。 しかし、そんな金縛り状態の全身にも、トリハダの大波は押し寄せ、それを彼女も明瞭に認知できている。 それは、生身の自分は実感できているという証左にほかならず、こんな状況下の穂里恵にはどこか最低限の望みとして捉えることもできた。 とりあえず、この瞬間はまだ生きているのだと…。 *** だが、その招かざる闇は彼女から立ち去る様相など微塵もうかがわせない。 逆に、異様に透ける不気味な漆黒は、漂うように変態を重ねていったのだ。 まずは黒いカタマリ数個が浮き上がると、それぞれがその中にいくつかのくぼみを孕ませているようだった。 ゆっくりと泡が湧き出るかの如く…。 ”やめてー‼来ないで‼カラダ、動いてよー‼” ここに至り穂里恵はパニクって、だだ無言の絶叫を繰り返すのみだった。 そんな自由の利かない14歳の少女を包み込んだ透徹の闇は、なんと二重構造に膨張(?)し、闇のカゲがむっくりとめくれるように浮かび出てきた。 無論、その尋常ならぬ進化?の様を凝視させられている穂里恵は、極限の恐怖感に襲われながら慄き見守るしか術が無かった…。
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