思い込み。

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自分の意思とは無関係に、カラダは死を拒んでいた。 ついにはその場にへたり込んでいた。 川の激流が轟くのを聞きながら、私は自分の無力さに打ちひしがれていた。 両手が顔を覆い隠す、醜い自分を覆い隠すように。 視界は真っ暗で、先はないように思える。 「雨、止みそうもないですね?」 確かに暗闇のなか、そう聞えた。 視界を覆い隠す手をどけて、声のした方を見た。 そこには確かに人が立っていた。
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