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暫くあすかは、空に登った月野を見ながら佇んでいると、入れ替わりのように、今日の仕事を終えた陽介があすかを迎えに来た。
「陽介、お疲れ様!」
「うん。月野と会って楽しかったか?」
「それが、慧ちゃんたら、まだ、月ちゃんに連絡してないって!」
月野の様子を陽介に伝えるあすか。
陽介は慧を思いだしながら、
「慧は冒険好きの鉄砲玉みたいなヤツだからな。今頃、どこをどうしているのやら」
「言い得て妙だね」
あすかと陽介が顔を見合わせて笑い合った。
ふと、陽介があすかを見つめる。
陽介は、あすかの顎に手を添えて、
「え?」
「うん。あすか、本当にキレイになったな」
陽介が急にそんな事を言うから。
あすかは真っ赤になってしまった。
陽介の顔が近づいてくる……
あすかはゆっくり目を閉じた。
あすかは、陽介の、明るくて全てを包み込む大きな光に、深い愛を感じていた。
そんな陽介を、あすかは心から大切に、愛しく思っている。
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