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暫く外の話し声を注意して聞いたり、周囲の人間(?)の身体を観察したりしてたら急に外が騒がしくなり始めた。
馬車の小窓から顔を覗かせれば、そこには街が広がっていた
レンガや石造りの建物が並び、子供が笑顔で駆け回っている。
文明レベル的には中世だろうか。
しかし、衛生面はしっかり整備されているようで嫌な匂いはしなかった。
馬車は賑やかな商店街を抜け、かなり立派な建物の中で止まった。
そして今度は牢に入れられた。
冷たい石の床と鉄格子…こじ開ける事は楽にできそうだ。
その後も次々と見知らぬ人が入れられてきた。
耳が尖った人や、羽がある人、目が1つの人…。
1人ぐらい研究所に持ち帰りたいところではある。…流石にやめとくか。
「どーしたもんかね。どうとでも出来るがどれが最適か。……否、楽しいか。」
この世界で生きていくつもりなのに流石に犯罪者にされるのはよろしくない。
適当な所でこっそり抜け出そうか。
人が少ない時…出来れば夜がいい。
そんな事を考えていたが、時間と共に牢屋の外が騒がしくなってきた。
もはやパーティでもしてるのかという雰囲気だ。
「■☆<仝仝─□。♡¥←←ゝゝ!*?/&&#、〇▽◆◎∥‐∀|―。」
フードの人がまた何かを言ってきた。
「え?あー…」
馬車で揺られている時に外の会話から作った自動翻訳AIによると、『妙な動きをするな。今何かしても、奴らの警戒を強めるだけだ』的な事を言ってる…らしい。
因みに馬車の中では『マヌケなやつ』と言われてたらしい。
ひどいぜ。
完全に日が沈んだ時分に再び牢屋を開けられ、連れ出された
外の喧騒も最高潮だ。
翻訳AIをリンクさせておこう。
「お前ら、*◎に並べ。」
「え、ここ?OK。」
舞台に並べて立たされ、幕が上がる。
すると衝撃波のように歓声が上がる。
「*¥?種がいるぞー!!」
「父さん!!あの女の&#=¥が♪□∥∀!!」
「←/◎*!ゝ▽^□はいないのか!」
完全に奴隷のオークションである。
観客は全員マスクを被っているのを見るに、この国の倫理観では奴隷を買うことは好ましくないんだろう。
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