雨女の忘れ物

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 都内某所の葬儀場で、轟木くり子の葬儀は行われていた。闘病空しく、彼女は帰らぬ人になってしまった。小学生の頃、あれほど元気だった彼女だったが人とは分からないものだ。  くり子とは幼馴染だった。互いに本音を言い合える関係だったが、それ以上の関係だったかと問われれば答えに詰まる。向こうがどう思っていたかは分からないが、俺がその気持ちが恋心だったと気が付くには今さら過ぎただろうか。
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