12時限目【続・休日の悪魔】

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12時限目【続・休日の悪魔】

 ◆◆◆◆◆  日曜日、青く澄んだ空のもと、近くの大型ショッピングモールへ足を運んだフォルネウス2世。  そんな彼の前に、子供達に紛れ騒ぎ散らすマールとカマエルが。どうやら、彼女達もヒーローショーを見に来たようだ。  ◆◆◆◆◆  握手会と撮影を済ませて上機嫌のマール達は楽しそうに下の階へと去った。俺は適当にベンチに座りまだ続いている列を見て思う。  流行ってるなぁ。デビレンジャー  ……って、あ、あれは!?  柱に身を隠し辺りをキョロキョロと見渡している見覚えのある天使が、サッと列の最後尾に並ぶ。  少女の手にはしっかりとBlu-ray特典の半券が握られている。先ほどマール達が握りしめていたものと一致するし、間違いない。  白く長い髪にあの全てを見透かしたような紫の大きな瞳。あの天使は、ロリエルだ。  いやだが何故、彼女がこんな所であの列に並んでいるのだ? 好きなのか?  ……デビレンジャー……  暫く見ていると列に並ぶ子供達と何やら話しているのが見てとれた。しかし、なんだあの楽しそうな顔は!? ロリエルのあんな表情、見た事ないぞ。というか今まで想像すら出来なかった。  少し興奮気味に話すロリエルの表情は活き活きしている。すると遂にロリエルの番が来た。  ヒーローとのツーショットタイムだ。  ロリエルは頬を赤らめ握手を交わし、お気に入りのポーズ? でしっかり写真撮影をし、出来上がった写真を受け取ると心底嬉しそうに笑った。  それを大事に鞄にしまい、あからさまにニヤニヤしながら、1人エスカレーターに乗りその場から去っていった。  これは、いけるかも知れない!!  ☆☆☆☆☆  こうして翌日、俺は天使部の4人を集め、ロリエル勧誘大作戦のリベンジ策を提唱した。 「どうしたんすか? 先生?」 「聞いてくれ、ロリエルを勧誘するいい方法を思い付いた! 共通の趣味で盛り上がれ大作戦だ!」 「「共通の、趣味?」」  4人は同時に首を傾げ、それぞれ大きな瞳を瞬かせた。ガブリエル2世に至ってはあくびなんかしているが、かまわず続けた。 「魔界戦隊だよ! ロリエルは魔界戦隊デビレンジャーの隠れファンだ! これは確かだ! 昨日のイベントに参加していたのを目撃したのだ! しかもデビパープル推しと来た! この話題から入れば、心を開いてくれる筈だ!」 「そ、そうなんすかっ!? デビパープルってまた渋いとこいくっすね!」  マールのリボンがぴょこぴょこ反応した。 「つまり〜、その話題から入れば、仲良くなれるかも知れないってことだね〜。やってみる価値はありそうだね〜」  モコエル、緩いわ〜。 「で、でも、いいいったい誰がっ、切り出すんですか? そ、そ、そこが一番難しいところだと思うのですが……?」プルプルプルプルプル  確かにクロエルの言っている事は間違いではない。最初に切り出すのが一番難しい。心なしか、プルプル度も上がるぜ。 「それはもちろん、顧問のフォルネウスの役目なの〜! そのあとはマールに任せれば完璧なの〜! ガブは見てるの〜!」  ガブリエル2世、お前って奴はーー!!  こうして明日、ロリエル勧誘大作戦のリベンジマッチが幕を開ける運びとなった。  一声目を任されたのは、俺……せっかく休みでメンタル回復したのにな。いや、弱音を吐くな、アビス・フォルネウス2世!  今度こそ、ロリエルを振り向かせてやるぜ!  ◆◆◆◆◆  頑張れフォルネウス!  戦隊好きなロリエルの心を鷲掴むため、今一度、玉砕覚悟の特攻を仕掛けるのだ!  ◆◆◆◆◆
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