ドラマティスなペルソナたちへ

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 自室に戻って、ベッドに飛びこんだ。先ほどの埃とカビの臭いを消したくて、枕に顔を埋めて思いっきり息を吸い込む。    「っけほっ!けほっ!」  今度は埃とダニだった。僕は本当に洗面所に駆けこんで、そして吐いた。連日何も食べてなくて、ただの胃液しか出てこなかった。それでも、胸のつかえがとれたようですっきりする。  「はぁ……はぁ……はぁ……」  未だムカつく胸を引き摺って、今度はベッドにあおむけにダイブする。脂で汚れた天井が見える。それが人の顔のようにも見えて、僕はきつく目を閉じた。 ・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・  遠くで悲鳴が聞こえる。  何の演目をやっているのだろうか。  目を開ける。  また人の顔と目が合った。  今度は目を逸らさない。瞑らない。  このくらい自信を持って観客と接していたなら。  また目を閉じる。  今度は銃声が聞こえた。  何の演目をやっているのだろうか。  それは主役が幸せになれるのだろうか。
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