第Ⅰ部

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 ジェンダー問題は繊細な問題です。過去にこうした事件があったからといって,特定のグループに偏見を持つのではなく,行き過ぎた情報化社会に疑問を持つべきです。情報の共有は,良い方向にもそうでない方向にも,人々を強く駆り立てる力があることを,この社会運動は示していると思います。  2034年は,古い価値観と新しい価値観が,正面からぶつかった時期だったのです((*))  私:  大切な点をありがとうございます。私もこのインタビューによって,一部の人々に恥ずかしい思いをしてほしくありません。情報化社会によって,あらぬ方向へ物事が運んだ良い例ということですね。今日はインタビューに応じてくださり,ありがとうございました。      * * *  フォンティーヌ・トマト事件の「マーク」が何を意味するかはさておき,人々はマークをピクトグラムだと解釈し,多くのデモが起きたのである。  しかし,専門家にインタビューをすればするほど,次の疑問が頭をもたげる。  一方的な情報拡散は,本当に偶然に起きたのか。 ─────────── (*) 実際,後日さらに過激なデモが行われたが,それは性的マイノリティーを容認しない「反対派」によって引き起こされている。
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