第Ⅱ部

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 TOLはフランス最大のユリノワール製造業者((*1))国内ユリノワールの70パーセント以上は,TOLによって製造されていた。また,批判を浴びてきた我が国のトイレ事情を改善したのもこの企業である((*2))      * * * 『胸が高鳴りました。この時期にTOLが動くということは,皆の関心事であるトイレとジェンダーについて,何か新しい進展があるという意味かもしれません』 ──私。新聞記者。ラ・ニュヴェレ新聞社。 『いや,誤解なきよう。読書ですよ。読書。会社でコスプレなんかしませんから。だけど「美少女戦士のんたん」は不滅です(キリッ)』 ──ミシェル・ポアソン。新聞記者。ラ・ニュヴェレ新聞社。      * * *  我々は300マイルの旅をして,パリのホテル「ルーヴル・サント-レノ」に行った。イベントホールの重い扉をくぐると,すでに大勢の記者が機材を並べていた。      * * * 『空気は張り詰めていました。静かに端の方に行って,三脚を組み立て,社長ロバート・チェミレン(Robert Chemillen)を待ちました』 ──私。新聞記者。ラ・ニュヴェレ新聞社。 『隣の女性が僕を見て,「一体何が始まるのかしら」と言ってきました。なので考えて,「分からない。それを知るためにここにいるんだ」と言っておきました。リリアンはここで僕に惚れたんだと思います』 ──ミシェル・ポアソン。新聞記者。ラ・ニュヴェレ新聞社。 ────────── (*1) ユリノワール 便器のこと。 (*2) 具体的には,GWWS(Global mechanism of water works system 管理化水道)機構の導入に伴うトイレ環境の整備。より詳しくは,第Ⅶ部を参照。
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