第 Ⅲ 部

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『彼女は口元を覆いました。友達というのは,あまり良い響きじゃなかったでしょうか。断られるかなと思っていたら,彼女は目をキラキラ輝かせて「わ,わたしと友達になってくれるの?」と言います。 『ちょっと大げさな反応でした。もしかして,彼女も僕と同じで,友達は少ないんでしょうか。「もちろんだよ。そしてお互いをよく知って,それでもデートしたいとお互い思えるなら,またそのときにどうするか考えよう? ダメかな……」。 『リリアンは興奮気味に,でもちょっと茶化しながら,「ミシェル,あなたはわたしたちの共通点を一つ見逃してるわ」。手を差し出されて言われました。「お互い愛に飢えてるってこと。これからよろしくね,ミシェル!」』 ──ミシェル・ポアソン。新聞記者。ラ・ニュヴェレ新聞社。      * * *  貴重な経験を話してくれた二人に感謝している。  話はまだ続くようだが,いったん本筋に戻ろう。忘れている読者がいると思うが,リリアン・ベレッタ氏から一通のEメールが届いたのである。
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