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 『トイレット消滅!』 2037年3月21日のル・モンド紙の見出しである。かれこれ半世紀近く前のものなので,何についての記事なのか解らないと感じる若人もいよう。トイレが消滅するのか。なぜ消滅するのか。そのような声が聞かれそうである。  実際,20代の男女5,000人を対象にしたある調査では,「トイレット革命は仕方なかった」という5パーセント,「革命は食い止めることができた」という2パーセントを除き,実に93パーセントもの若者が,「トイレット革命で何が起きていたのか知らない」と答えている((*))  そこで本書がある。本書の目的は,人類史の転換点とも言うべき(くだん)の革命,トイレット革命の歴史を,可能な限り平易に,しかしあいまいさを残さず説明することである。  トイレが消滅するきっかけになったある事件から始め,それが世界的な問題に至る経緯を厳密に紐解く。その中で,この革命の歴史的意義を明らかにし,事件の黒幕を暴き,「なぜトイレは消えなければならなかったのか」という史上最大の謎に挑む。  本書の作成にあたり,多くの先生方にお世話になった。謝辞とともに,氏名は巻末に付す。 フランツ・クライトマン ───────── (*) 「トイレット革命とその影響」(A・アルベール)169ページ。 (ご注意) この書籍は,トイレット革命について解説するものであり,特定の団体・グループ・個人を非難したり差別したりするものではない。革命の性質上,きわどい表現が出てくることがあるかもしれないが,本書はいかなる社会問題に対しても中立であることをあらかじめご理解いただきたい。
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