第1話 一枚のトースト

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「本当に幸せそうにご飯食べるな。栞は。」 「そこはお父さんに似たのね。」 「そうかもしれないな。よし、じゃあ父さんはそろそろ行くよ。」  お皿を流しに戻し、玄関に向かう。 「「行ってらっしゃい」」 「行ってきます。高校生おめでとう。」 「ありがとう。」 「私達も急がなくちゃ。早く食べて、制服着てきなさい。」 「うん。」  急いで、口にパンを詰め込み、水で押し流す。  外から差す太陽の光と、ウグイスの鳴き声。  あぁ。学校が始まるんだ。  高揚とも、緊張とも取れる昂りの中、私は2階の自室に戻る。
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