第2話 黒神のラーメン 第1節

1/3

2人が本棚に入れています
本棚に追加
/19ページ

第2話 黒神のラーメン 第1節

 急いで学校指定のセーラー服に着替え、急かされるように家を出る。 「さぁ。行くわよ。」 「うん。ちょっと待って」  初めてのローファーに手間取ってしまった。 「車の中でちゃんと履けばいいのよ。ほら急いで。」  かかとを浮かせたまま、よたよたと歩き、後部座席に乗り込む。車の中は、几帳面な母により整頓され、車用芳香剤によって、アロマの匂いがする。 「部活動何するか決まったの?」 運転席に乗り込み、エンジンを掛けながら母が聞いた。 「まだ決まってない。中学と同じっていうのもつまらないでしょ。」 「そう?バドミントン頑張ってたじゃないの。続けたらいいのに。」 「高校では、文化系の部活にするの。」 「何でもいいけど。友達できるといいわね。」 そうなのである。目下の目標として、まずは友達を作る。これが肝心かなめなのだ。
/19ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加