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②
放課後。
ザワザワした教室には、ちょっとした勢力図ができる。
窓際で集まっている、男女のグループ、ザ・リア充。
いそいそと部活へ行く準備をしているヤローども。
数人で集まって楽しそうに話に花を咲かせている女子たち。
そして、俺みたいにソロ活を謳歌している、地味ーズ諸々。
孤独ほど、味わい深いものはない。
あ、五七五。季語はないけど。
カバンの中を整理する間に、チラッと目だけを動かして窓際のアイツを見る。
リア充グループの中心にいるのが、佐野だ。
イケメンでスポーツ万能、おまけに成績も
トップクラス。
身長も高くて、誰とでも楽しそうに話す人気者だ。
月に何回かの当番の間に話すくらいだけれど、とても気さくなヤツだった。
天は一体何物をアイツに与えれば気が済むんだ。
俺にも3割くらい分けてくれ。
そんなアイツが、授業中に俺なんかに手を振って、一体何のメリットがあるんだろう。
あれか、俺が声掛けたら空き教室に連れ込まれて、モテるようになる壺でも売りつけられるヤツか。
買わねーけど。
冗談はさておき、佐野と俺との共通点といえば、同じ「図書委員」ということだけだ。
当番の間も、そこまで深く話す訳でもないしなぁ…。
ない頭を捻っても、答えは出てこない。
最後にチラッと佐野の方を見ると、バチッと視線が合って、ふと微笑まれた…ような気がした。
視線を振り払って、慌ててカバンを持って
教室を出る。
一瞬見えた、目を細めてはにかむような
笑顔に何故かドギマギする。
笑顔も可愛いじゃねーかよ、ちくしょう。
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