相合傘

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 転校以来卑屈になっていた僕の友達になってくれた柿原。お陰で僕は明るくなり友達の輪を広げ道化の才能を開花し人気者に伸し上がることが出来た。その陰の功労者とも言うべき柿原が福岡へ引っ越してしまった。事も有ろうに唯一僕が心を通わす事が出来た柿原が、選りに選って唯一僕の中身を理解していた柿原が、有ろう事か唯一僕を心から慕っていた柿原がお別れ会も何もなく二学期の途中に忽然とクラスから消えてしまったのだ。  僕は柿原がいなくなった所為で弾切れの機関銃のように一時はすっかり大人しくなってしまった。そのどん底から立ち直ってからも錆びまるけの機関銃程度にしか回復せず、而も銃身まで錆びて行くように道化の冴えを失って行き、いつしか人気に陰りが見え始め、三学期に入ってから徐々に苛めを受けるようになり、三学期の中頃からは毎日、執拗な苛めに悩まされる憂き身になってしまった。
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