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2020/1/13 (2)
あずのご両親の言う転職が決まってからというのは最もだと思った。
もちろん言われなくても分かっている。
あずと息子くんが実家にいる事と転職先を決めるまでを天秤にかけて、どうしたら良いのか何が正解なのか悩みあぐねた。
あずの友人の言うように「実家から出れば良くなるよ」という言葉がグルグルと頭の中を駆け巡って、とりあえず当面の暮らしはしていければ転職活動をするにせよ、息子くんのことを考えてもベターであると感じた。
あずが動けない時はわたしが送り迎えやその他諸々の家事もする。
1度決めるとボーっとしている訳にはいかない。そういう性分なのだ、決断をしたら即行動に移そうとする。
見切り発車ではないかと言われる事も勿論分かってはいる。
あずはあらかじめ言おうが後出しで言おうがご両親のことで面倒なことになると言っていた。厚かましい言い方かもしれないが、息子くんのこともあずと同じくらい大事に思っている。わたしの娘と同じように。
「もしダメになったら?」
「まだ就職も決まってないのに?」
私が見ているとかえって息子くんを振り回してしまったという思いや、あずの言葉、考えれば考える程に身動きが取れなくなってしまう。そう感じていた。
それにご両親の言う結婚前提という"縛り"をつけないといけないという考え方にも違和感を抱く。自由恋愛の時代である。
大層な家柄であればまだそうしたやり方も残ってはいるが、好きになり互いに一緒にいる中で醸成されていくものではないのか?
本末転倒である。
良家から嫁いできた母でさえ、大変な苦労をしたそうだからそれには同意する。
唯一の懸念はあずの中の攻撃的な人格が出たときのこと。もちろんそれも以前通っていた先生のところで診てもらうし、私からも説明する。
あらゆる面で忍耐強く短期的にでは長期的な視点で考えねばならないと覚悟を決めていた。
ご両親に男扱いされても正直困る、そうではなくて私はわたしだから。
それに、コントロールを失った男性ほど恐怖を感じるものはない。苦手なんて言葉で済むような感覚ではとてもない。
とは言え針を飲むつもりで歯を食いしばって時期が来たらご挨拶に伺うことは頭の中に入れてあった。
家制度がなくなりつつあるとは言え、その制度自体も大昔からあるように思っている方が多いが、実際にはそんなに長い歴史がある訳ではない。
グルグルと頭のなかで色んな事がいまも駆け巡る。
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