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2020/1/19
いよいよ決行の時です。
先方のご両親にも顔を出して…、というのも以前に書いたように我を忘れて怒鳴り散らし、罵詈雑言の数々を吐かれた後ではもう遅い。
あの時、私は努めて冷静さを失わないように意識して、ご両親それぞれにあず達がこれまでどんな思いをしてきて何と言っていたか、そして治療を受けて欲しいと幾度も懇願しました。
「出ていくとは一体どういうことだ」と怒り狂う状況でまっとうな会話は出来ないし、前々からご両親と話す機会があれば彼女らの当時の養育状況について尋ねるつもりだということはあずにも言ってありました。
当然わたしだってそんな事を言ったらどうなるかくらい分かります。
そもそも出ていく話など一切するつもりもなかったですし、核心の部分についてどう考えているのかどうしても知りたかったのです。
別の作品にも書きましたが、ケンカが強いからとか立場がどうであるかというものとは別の道徳的な評価軸が存在するみたいで。
小学校に入学して当時の通学団長は同級生のお兄さんで誰しもが名前を知る程の暴れようだったけれど、何か不条理な事があって私が抗議したんだと思います。それから数年間暴力や陰湿な嫌がらせを散々受けました。
たぶんもっと前から、幼稚園とかそれくらいからそういうところがあったんだとおぼろげな記憶ながら思います。
私と長年親交のある友人は口を揃えて
「損な性格だね。」
「誤解を生みやすいよね。」
と数え切れないほど言われてきて、こんな生き方しか出来ない自分はなんて不器用でどうしようもないんだろうと思います。
もっと世渡り上手だったらと。
あずはある時そのことに気付いてくれて、言わんとする事を理解してくれました。
息子くんにも「あの時は恐かったよね、ごめんね」とようやく謝る事が出来ました。
私はあの子の為にどんな事もサポートするつもりです。
算数と漢字が苦手で、寡黙で口数が少なく自分の世界を持っているところが私の面影を見ているようだと思うことがあります。
少なくとも安心して過ごせる空間をつくりたい、というのが私の思いです。
お子さんのいる方ならお分かりになるかと思いますし、そうでない方も子供時代を思い出してみて、幼児が初め親にくっ付いて離れなかったのがちょっとずつ興味のあることにチャレンジし、また親元に戻っては安心感と勇気を得て新しいことに挑戦するように、必要なのは安全スペースとなる土台だと思ったから。
しっかりとした土台なくしては何かに挑戦しようとしても、なかなか一歩が出ません。
私とあずもまた、新しい一歩を踏み出します。
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