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「……こうして暗月とまた会えて、二人でお酒飲んでいることが。夢じゃないよね、これ?」
言いながらぞっとした。これで目が覚めたら一人でした、なんてオチ、想像したら怖すぎる。
「夢にしてくれるな」
ため息混じりの声とともに、肩を抱かれた。その力強さに彼の本気を感じ、嬉しさと共に戸惑いも生じる。
「やっぱり、不思議」
「なにが?」
「私はただの人間で、突出したところも特に無いのに、なんで暗月が私を思ってくれるのかが、不思議」
言いながら、あれ? って思った。
これ、結局は私のどこが好き? って遠回しに聞いているのと同じじゃ無い?
「あー、いや良いです! 今の無し!」
恥ずかしさに慌てて離れようともがいたら、より一層ぎゅっと抱きしめられた。
「お前を認識したのは二年前だよ」
「二年前?」
その年数に、またびくりとする。
「辛いと、寂しいと悲鳴をあげる声が聴こえたので下界を見たら、笑っているお前がいた。悲しい時にも人は笑う。それが常々疑問だった。だからお前を観察することにしたのが、始まりだ」
「観察……」
なんか思ったより甘く無い。そして二年も観察されていたのか。思わず力が抜けて、抵抗する気が失せた。
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