連帯保証人

3/5
前へ
/15ページ
次へ
「そうです、磯村、云います」  『うちから請求書、送らしてもらいましたんですけど、いつごろ付きました?』 「2週間ほど前・・いや、10日ほど前でしたかね」  『それにしても・・えらい永いこと待たしはりましたな・・あぁそうか、裁判所からの差し押さえの通知書、着くまで待ってはったんか?』 「すみません・・御社の請求金額が、私が保証した金額と全然違うんで、どないしょうか、迷ってましてね・・」 『どこが、違う言うんや! お前、判子押しといて・・それもエエ歳してやで、今更なに言うとんじゃ! 文句があるんやったら、もっと早う電話するもんやろ! それが礼儀と違うんか!』  急に口調が荒くなった。 相手の恫喝とも思える言葉に、哲也は怯えてしまった。 「すっ、すいません・・お宅のセールスの人が、5人で割ったら僅かです・・って言うてはったんですが、割ったのが800万ですか?」  『5人で割ったら?・・お前、なに寝ぼけとんねん! 何で5人で割らなあかんねん! 云うとくけどな! 債権者はどの保証人から、ナンボ貰おうが勝手なんや! 弁済金の分け分けなんか、訊いたことないわ!』
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加