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「そうです、磯村、云います」
『うちから請求書、送らしてもらいましたんですけど、いつごろ付きました?』
「2週間ほど前・・いや、10日ほど前でしたかね」
『それにしても・・えらい永いこと待たしはりましたな・・あぁそうか、裁判所からの差し押さえの通知書、着くまで待ってはったんか?』
「すみません・・御社の請求金額が、私が保証した金額と全然違うんで、どないしょうか、迷ってましてね・・」
『どこが、違う言うんや! お前、判子押しといて・・それもエエ歳してやで、今更なに言うとんじゃ! 文句があるんやったら、もっと早う電話するもんやろ! それが礼儀と違うんか!』
急に口調が荒くなった。
相手の恫喝とも思える言葉に、哲也は怯えてしまった。
「すっ、すいません・・お宅のセールスの人が、5人で割ったら僅かです・・って言うてはったんですが、割ったのが800万ですか?」
『5人で割ったら?・・お前、なに寝ぼけとんねん! 何で5人で割らなあかんねん! 云うとくけどな! 債権者はどの保証人から、ナンボ貰おうが勝手なんや! 弁済金の分け分けなんか、訊いたことないわ!』
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