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「そっ、そやけど、契約の時、お宅のセールスさんが、何かあっても5人で割ったらって・・何回も、説明してくれましたけど?」
『もし、ホンマに、そない言うたんやったら・・それは社交辞令や・・ワシは5人のうちアンタに請求することに決めたんや! これはうちの勝手で出来るこっちゃ!』
佐川は完全に開き直っていた、とても公では許されない言葉の連続である。
「なんで、私なんですか、他の4人やったら、なんでアカンのですか?」
『磯村さん、やったな? あんたのマンションが、一番高値なんや、なにせ、まだ新しいしな・・せやからウチはアンタを選んだ云うこっちゃ』
『哲也、ちょっと電話変わって!・・ 早く代わってよ!』
哲也の傍にいたエミには、スマホから漏れる、佐川の声を、全て聞いていたようだ。
それにしても、どうしてエミが電話を代わるのだ? 人の好い哲也では、頼りなく思えたのか?・・それともエミになにか?・・
『もしもし・・私、磯村の嫁で、エミと申します・・』
『なんや旦那、もうダウンしよったんか?・・ 女のくせして・・エエ度胸しとるやないか、それで?・・どないしたんや?
アンタが、代わって弁済したる・・とでも云うんか?』
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