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仮差し押さえ
「只今・・」
『お帰りなさい・・なに?・・それ?』
「えぇ、なんのこと⁉」
『哲也が手に持ってるその封筒っよ! 手紙?・・それとも請求書かしら?』
「分からん?・・エントランスのポストに入ってから・・持って来たんやけど・・ 悟は?」
『さっきまで、パパの帰りを待ってたのよ・・でもいつの間にか寝してしまったので、寝室に寝かせたわ』
パパに遊んで貰おうと楽しみに待っていた悟だが、哲也の帰りがあまりにも遅いので、待ちきれず寝てしまったようである。
それをママのエミが寝室に運んだと言うことだ・・磯村家にとっては決して珍しくもない光景である。
「なんや、これ! 裁判所?・・裁判所からの手紙やなんて、キモイな?」
差出人が裁判所と聞こえて驚いたのか、エミは哲也からその封筒を取り上げた。
『どこからって?・・なによ、どうして裁判所なのよ? 哲也、あなた、何かしたの?』
「なんでやねん、俺は今、ここに居るし・・捕まっても、無いんやから・・
勿論、交通違反もやな・・ちょっと待てよ・・ん~やっぱり違反なんかしてないって!」
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