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黒い男は、クスクス笑いながらタブレットを操作して、ぼくの小説をダウンロードする。
おい!海賊版じゃないか!この悪魔!
「これ、彼の遺作だよ。君も読んでみたらわかるから」
もう、遺作って・・・ツッコむ気すらなくなってきた。
白い男は、私の遺作、じゃない・・・最新作、今月連載開始の小説を読み始め・・・1ページも読まないうちに、大欠伸をした。
「どう?」
黒い男は、クスクス笑いながら感想を尋ねた。
「いや、たしかにこれはひどい・・・退屈すぎて死にかけました。これ以上犠牲者が出ないうちに、絶筆になってよかったです。これじゃあ、原稿用紙もろとも地獄で焼かれたほうがいい」
あれ?天使、あっけなく諦めた?だが、百歩譲って名作とは言い難い・・・いや、正直に駄作だと認めても、ミサイルの誤射と同じレベルの罪状なのか?
悪魔が言う。
「じゃあ、この魂いただくよ」
「どうぞどうぞ、持ってっちゃってください。シッシッ!」
おいおい、天使よ、ノルマは?貴重な魂って言ったよね?
黒い男はカバンから、ハンディタイプの掃除機(にしか見えない機械)を取り出すと、スイッチを入れた。
ゴ〜ッと音がして、ぼくの魂は・・・(しゅぽんっ!)・・・吸い込まれた。
The End (of the life!)
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