2度目の春

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「……?」 彼の意図がわからぬまま、うつ伏せにされる。 そして、その時初めて——彼がはっきりと欲情していることを、間近に悟ったのだった。 「音……」 彼のマイクはオフになっているだろうか——戸惑いのあまり、小さく名前を呼んでみたが、彼の視線はモニターに向けられたままだ。 音は服を下にずらすと、後頭部を掴んできて——そこに顔を押し付けてきた。 「ンッ…………!」 音の熱い部分が口腔内にめり込んできて、目尻に涙が溜まる。 全くもって予想外だった。 やがて催促するように頭を撫でられたので、大智は仕方なしに、ゆっくりと上下させた。 彼が吐いた熱い息が、うなじにあたる。 「……では、見積もりは後日、私から送りますので」 突然、音が発言したものだから、大智は慌てて動きを止めた。 すると、ふたたび後頭部を撫でつけられて、催促される。 大智はいったん口を離して、舌先で刺激をした。 先端をゆっくりと撫で回すように刺激すると、音の息が荒くなり、興奮を直で感じ取った。 しかし、見上げてみると、音はモニターを見つめながら涼しい顔をしている。 まさかこんなことをしているなどと、カメラの向こうの人間は思うまい。 「ん、ん……」   冷静ぶる音を見ていたら、追い詰めたくなってきて——大智はふたたび深く咥え込み、勢いをつけて扱いた。 何度か繰り返すと、達してしまいそうになったのか——音はあわてて服を掴んで、大智を引き剥がした。 「今日はありがとうございました。では失礼します」 彼は変わらぬトーンで画面に向かって挨拶すると、パソコンを閉じた。 ——どうやら打ち合わせが終わったらしい。 彼はローテーブルを手で押して退けると、そのまま覆いかぶさってきた。 「チーは、やらしーな……」 よく言う。強引に指示をしたのは音のくせに。 言いかけたところを、キスで塞がれた。
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