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SCP-076「“アベル”」
【最初に】
今回はSCP財団のオブジェクトでも屈指の危険度と人気を誇る、SCP-076の解説をします。
様々な記事で言及され、様々な実験も行われています。中にはじわじわくる実験もあるのですが、それに関しては後述するとして。
まずは、SCP-076がどんなSCPかを紹介するとしましょうか。
【概要〜死体らしい、死体を生み出すオブジェクト〜】
SCP-076は立方体の石室(SCP-076-1)と、室内の石棺に収められた男性の遺体(SCP-076-2)から構成されています。
単に「SCP-076」と書かれている場合、人型の方を指しています。石室ではないですよ、ええ。
通常、SCP-076-1の扉は鍵で封印されており、外から開けることはできません。SCP-076-1に関しては特筆すべきことは特にありません。問題はSCP-076-2の人型の方です。
SCP-076-2(以降はアベルと表記)は時折息を吹き返し、石室の扉を開いて外界へと姿を表します。
20代後半の見た目をしているのですが、実際の年齢は不明。
痩せているものの身長は2m近くもあり、黒い髪、灰色の瞳、オリーブ色の肌が特徴的です。
全身には“嫌らしい目つきで睨む悪魔のような顔の形”の刺青が刻まれています。
性質は凶悪そのもので、人間を軽視し、人間の殺害を至上の喜びとしています。エグいSCPですね。
アベルが蘇生する度に虐殺が起こり、彼を殺さない限り、殺戮が終わることはありません。
身体能力は常人の範囲を大きく逸脱しており、銃で頭部を撃ち抜かれても倒れないなど、ダメージへの耐性も高く、半端な方法では無力化できません。
さらに、どこからともなく武器を取り出すという能力も有ります。怖えです。ただの危険人物でしかないです。
アベルが死亡した場合、肉体は塵になり、やがて石棺で復活します。
アベルは財団によって身柄を拘束されて以来、幾度となく石室を抜け出し、その度に財団のエージェントと交戦し殺害されて復活することを繰り返しています。
知性などに関してですが、精神構造や行動理念は人間にとって理解しがたいものではあるのですが、理性面での常識が通用しないだけで知性は高いです。
英語からシュメール語まで(古代シュメール語に関しては「好ましい言語であると考えられています」と報告書に記載されています)複数の言語を操り、戦術や冶金、家畜についての深い知識を持っています。
【概要〜アベルの色々と機動部隊“パンドラの箱”〜】
人間を軽視していると前述しましたが、自分が認めた相手に対しては普段軽視してる人間であっても例外として敬意を払います。
それは、彼を無力化すること(主に射殺)に何度も成功していた凄腕のエージェントがおり、とある収容違反の際に彼が居ないことに気が付くと、それを尋ね、あるSCPの進行を止める為の空爆に巻き込まれて殉職したことを伝えると自発的に収監されたという1件で発覚したのです。
後にインタビューでそのことを尋ねると、「彼は臆病なお前達とは違い本物の好敵手だった、対戦を楽しみにしていた。(意訳)」と語りました。
また、過去にアベルを戦闘員として起用するプロジェクトが計画され、彼を中心とした機動部隊Ω-7“パンドラの箱”が結成されました。
結果は……「アベルの制御は困難であることの証明」と言っても過言ではありませんでした。
また、「SCP-073“カイン”に関する全てのもの、又はカイン本人をアベルと同じサイトに入れてはならない」ということが判明しました。
最後に、アベルに関する心理プロファイルの改訂版をサイトから引っ張ってきたので、お見せしましょう。
「SCP-076-2は我々と大きく異なる精神を持っているか、完全に狂気の内にあり、我々は少しの共感や理解も持てません。性、愛や平等といった観念は、それらへの捉え方を見る限り、SCP-076-2から完全に失われた考えのようです。彼は性に無関心で、見た目の違いなしではほとんど性別を識別できません。また、彼は殺害行為を大変に楽しんでいるように見え、苦痛(精神的、または肉体的な)を引き起こすことには魅力を感じていません。
知能テストをSCP-076-2にさせるとでたらめで不正確となり、未だ正確な結果は得られていません。これは、彼が『怒り』の状態にあるとき、コミュニケーションを取ることが不可能であるという事実によるものです。対象は英語を含む様々な言語を話してみせますが、最も注目すべきは古代シュメール語のいくつかの方言についての知識であり、対象にとって好ましい言語であると考えられます。
SCP-076は人類を尽く軽視しており、視界に入った人間は全員殺害するでしょう。対象とのコミュニケーションを試みることはありません。」
(SCP財団公式サイト「機動部隊Ω-7事件」のページより引用)
……言い忘れていましたね。
もう判っている方もいらっしゃると思いますが、アベルのオブジェクトクラスはKeter。殺戮を繰り返すオブジェクトです、Euclid以下になることはないでしょうね。
【最後に】
ということでアベルの紹介でした。
身体的特徴の描写や大まかな人物像などはあるのですが、詳細な部分などはわかっていません。描く時にどんな人物として描かれるのかは絵師様の想像に委ねられます。
また、SCPは怪奇作品の創作の場であるという性格上、これよりも「ただ単純に強いだけ」のSCPを作ってはいけないという暗黙の了解が存在します。
次回紹介予定のSCPであるSCP-682がクリーチャー系の上限であるならば、こちらは人型系の上限と言った扱いですかね。
……おっと、うっかりしてました。
次回紹介するSCPはSCP-682「不死身の爬虫類」です。
通称クソトカゲ。殺すことはほぼ不可能(?)なSCPを紹介しましょう。
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