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SCP-444-JP █████[アクセス不許可]
【最初に】
あかしけ やなげ 緋色の鳥よ くさはみ ねはみ けをのばせ。
ようやくSCP-JP、要するに日本支部のオブジェクトを取り上げられました。
深刻という言葉では済まされないレベルの収容違反を起こしている、とても危険なSCPオブジェクトを紹介しましょう。
ああ、このページの最初の文……「あかしけ〜」のアレは声に出して読んではダメですよ。酷い幻覚を見ることになるので。
【概要〜幻覚のループ〜】
先ほどの「あかしけ〜」の文章を読み上げると、次のような幻覚に襲われます。
①夕焼けより赤い空が広がる原野に立っている
②4~7分経過すると自身が空を飛べることに気が付く。(ただし根拠は説明できない)
③空を飛びたい要求が高まり、幻覚の空を飛行する。現実世界の体は鎮静状態になる。
④幻覚の空を飛行開始から2~3分後に巨大な赤い鳥が飛んでくる。
⑤死への多大な恐怖と、苦痛を感じながら赤い鳥に捕食される。現実世界の体は暴れ周囲に無差別に攻撃する。
⑥幻覚世界での死亡後、現実の肉体は3分ほど昏睡状態になり、一部を除いて記憶をリセットされ①に戻る。
この時点で恐怖しかありません。
幻覚でも殺されるんですよ? さらに言えば周囲に迷惑もがっつりかかってます。
この幻覚のループから抜け出す方法は、読み上げた文章と同じものを現実世界で何かに書き上げること。
その動作を行う時だけ、現実世界の肉体をコントロールできるのです。
ただし、前述した通りループの継ぎ目で記憶がリセットされるため、通常は何百回も飛んで喰われて元に戻って、を繰り返すことになります。
その中でほんのかすかに引き継ぐことのできる、記憶の欠片の積み重なりの果てに、脱出方法を思い立つ……のですが、これを思いつくのには幻覚世界で数週間かかります。
そして書き上げることに成功した場合、ループ内で起きたすべての出来事を記憶した上で脱出できます。
ですが、ループで何度も殺された記憶などがある為、精神疾患を患うことが多いようです。
そのため、帰還した人間には記憶処理が施されます。
読み上げなければ害はないので、財団は広がらないようにするべく、扱うのはサイト-8141内に留め、現状では幻覚世界への探索も見送られています。
プロトコルも簡単なもので、
・文章が読み上げられないように、見つけ次第、改竄か削除をすること
・担当職員には専用の守秘義務が発生する
・別部署に異動する場合、記憶処理を受けること
というものです。要するに、とにかく読ませるな、サイトに留めろ、ってところですね。
【ちなみに】
これは要注意団体の1つ、『日本生類創研』の廃棄された研究所から発見されたものです。
ただ、この研究所の施設は徹底的に破壊されていました。
残存データを回収して調べたところ、日生研が作ったというよりは、元々はもっと長い文章の一部だった単語の断片が発見され、それを使って新しい商品を作ろうとした日生研が、文章形式に作り直したものがこれであるらしいとわかりました。
日本生類創研については皆様でお調べください。
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