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SCP-070-JP「わんわんらんどと犬ではないなにか」
【最初に】
「ワンワンワン ワンワンワン ワンワンワワワン ワンワンワン」。
側から聞けば犬が吠える声にしか聞こえません。
「わんわんらんど」がドッグランかドッグカフェかペットショップか何かと思われると思いますが……犬ではないなにか、とは何でしょうね?
では、早速解説していきましょう。
今回も複数ページにわたって解説します。
【概要〜特別収容プロトコル〜】
オブジェクトクラスはSafe。
SCP-070-JPは、████県████市内に建てられているとある集合住宅の██████室にあるメンテナンスハッチです。
本来であればここに入ると床下へとつながっているのですが、SCP-070-JPを通ると廃墟のような空間(SCP-070-JP-1)へと出ます。
この廃墟は木造建築のように見えますが、家具やガラス窓を含めて一切の物品は破壊されません。というか傷1つ付かないようです。
特別収容プロトコルは以下の通り。
・SCP-070-JPは常に鍵を閉めておくこと。
・隣の部屋には財団職員を入居させ、常に誰も入らないように見張っておくこと。
・SCP-070-JPの中に入るときはレベル3以上の職員の許可をとること。入ったら必ず3分以内に退出すること。複数人で入る場合はレベル4以上の職員3人の許可が必要。
・制限時間を超えた調査をする場合は必ずDクラス職員を使用すること。
以上。中に入りさえしなければ異常性は発揮されないため、至ってシンプルなものです。
ですが、内部に入ったが最後、身の毛もよだつような恐ろしい体験をすることになります。
【概要〜犬ではないなにか〜】
ここで、1回目の探索のログを公式サイトから引っ張ってきたので見てみましょう。
反転部分がありますが、そこを消してお送りします。
『探査ログ:070-JP-BB-1
対象:SCP-070-JP-1
探査者:D-32414
「よーし、中に入った…どこだろうな、ここは」
「見えるものを説明しろ、だったな…えーと、まず俺が出てきたのは店みたいなところだ。カウンターの裏側の、小さな扉から出てきた」
「店の中には棚と、檻がいくつか並んでる。棚はだいたい割れてるし、檻も蓋が開いてるな」
「正面にはドアがあって、右手の方に窓がある。窓に近づく」
「窓の外は…結構な田舎だな。店の隣には草ぼうぼうの庭と畑があって、道路が見える。片側一車線だ。あと…看板かな?店の敷地にポールが建ってる」
「えーと、かなり錆と汚れが付いていて読みにくいが…『わんわんらんど』って書いてあるな。全部平仮名だ。あとは、空が晴れてるぐらいしか見えない」
「あ、センセイ。今気が付いたが、俺が出てきたカウンターの横の方に階段があった。どうやら二階があるらしい」
「階段は、埃が積もってるけどそこまで古くはなさそうだ」
「うん、行ける行ける。上の階に上がってみる」
「もうすぐ踊り場だ。やっぱり意外と頑丈な階段だ」
「…なんだ」
「何かいる…何か二階にいる…」
「あまりよく見えなかったけど、犬みたいだ」
「分かった、もう一度見てみる…じっとしてる…」
「動いた!」
「ああ!早い!あいつ犬じゃねえ!犬なんかじゃねえ!」
「おい、開けてくれ!来る!早く開けてくれ![削除済]!!開けろ!」
「あああ!いる!開けてくれ!後ろに!開けて!」
(27秒間沈黙)
「ワンワンワン ワンワンワン ワンワンワワワン ワンワンワン」 』
D-32414は通信機のバッテリーが切れるまで4時間ほど『ワンワンワン』と吠え続けた後、ロスト。
この探査により、SCP-070-JP内には犬に似た何らかの実体(SCP-070-JP-2)がいることが判明しました。
……犬ではない何かと遭遇してしまったようですね。
D-32414が犬のような生物を発見。この時、複数の男女が歌うような謎の声が聴こえてきたとのこと。
普通であれば野良犬か何かが廃墟に棲みついているのかと思われる所ですが……。
また、持たせていた追跡装置により、D-32414が████県████市郊外にある犬専門大型ペットショップ跡地へと転移していたことも分かっています。
このペットショップを調査したところ、経営者だった男性がSCP-070-JPの存在する部屋に住んでいたようです。
しかし、この男性はペットショップが倒産した後に[編集済]となっており、SCP-070-JPとの関連性は低いと考えられています。
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