SCP-040-JP-J「ねこですよろしくおねがいしません」

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SCP-040-JP-J「ねこですよろしくおねがいしません」

【最初に】 これを投稿した時点で梅雨入りしています。蒸し暑いですね。 皆様、体調管理には十分お気をつけて。 さて、今回は“ねこ”の紹介ですが、今回はミーム汚染されてませんよ。 本当ですよ、信じてください。何故汚染されていないか。 それは読めばわかります。 【概要〜ねことはなにか〜】 SCP-040-JP-Jは、まぁお察しの通り██県の旧██村に放置されていた井戸小屋です。 古い年代に造られたと推測される石造りの井戸があり、井戸の深さは、本来の用途からはありえないほどに深い。 小屋の中を人間が覗き込むと取り乱し、「ねこが居た」と報告します。 さらに、被曝者はこの“ねこが居る”ということに執着していきます。 曝露した対象は全てのイエネコに対する認識が変化し、ねこが『毛が無く造作の無い顔に人間のような二つの目が付いた動物』に見え、どの方向から見てもこちらを真っ直ぐ見つめてくるようにしか見えないと曝露者へのインタビューでわかっています。 曝露者は数日~数週間の間に、この“ねこ”が暗闇にいるように感じ、“ねこ”の視線を監視されているかのように感じ、気にするようになっていきます。 あれ……? これ、SCP-040-JPじゃね? と思われた方、お気持ちはよくわかります。 ですが、実際のSCP-040-JP-Jのサイトをご覧ください。 「どこ見てんだよお前」と言いたくなるねこがいます。 【概要〜特別収容プロトコル〜】 肝心の特別収容プロトコルですが、 オブジェクトに覆いかぶせるように立てられた収容棟に収容した上で、一般市民に公開されます。 もう一度言いますね。 一 般 市 民 に 公 開 さ れ る 。 これだけでも財団理念を揺るがす大事なのですが、さらに新人職員はSCP-040-JP-Jを見ることが義務付けられ、収容棟に入った際はSCP-040-JP-Jの内部を視認するよう要請されており、全ての職員は“ねこ”を常に観察し、曝露していない人とは積極的にコミュニケーションを取れとまで来やがりました。 しかも最近は角膜にいる“ねこ”がずっとそっぽを向きっぱなしであり、職員はなんとか見つめようと躍起になっています。 ・16時間ほど見つめてみる ・休日を利用して48時間の観察。なお1度振り向いて観察者を睨んだ。 ・インターネットを介した周知活動 ・ねこを模した着ぐるみを用いて町を練り歩く ・要注意団体の構成員にねこを送り込む。自分のねこに夢中となったため、財団への襲撃もめっきり減った。 ……こんな感じです。 それも研究員、博士、エージェント、機動部隊員、サイト管理者、人事部長、研究主任などなど様々な役職の職員がこのオブジェクトにかかわる事態となっています。 【概要〜インシデント040-JP〜】 財団に何があったのか、財団に明日はあるのかと不安になるが、これには訳があります。 インシデントレポートによると、20██年4月1日、報告書の除染が不十分だったことにより、SCP-040-JP-Jのミームが水面下で漏洩していた事実がRAISAより判明。処置253、例の“柳煤”を受けずに閲覧した全職員が潜在的ベクターに変化したものとみられました。 サラっと書いていますが要は大規模収容違反です。 エイプリルフールですが……大丈夫でしょうかね? さらに20██年5月28日、日本支部理事会は社会へのこれ以上の隠蔽が不可能であると判断、アンニュイ・キャット・プロトコルの制定を決定。 アンニュイ・プロトコルとは、かのSCP-8900-EXやSCP-2217などの規模が馬鹿デカいオブジェクトにおいて収容が困難だと判断された場合に発動され、異常が異常でないと思わせるミーム災害を引き起こす財団の最終手段です。 つまり、暗闇を見ればこちらを凝視する“ねこ”が異常でも何でもない日常の世界に日本は変貌してしまったのです。 アンニュイ・キャット・プロトコルにより全職員の“ねこ”への曝露を義務付け、ミームの効率的な運用を図るためにオブジェクトクラスがThaumielに指定されました。 ちなみに財団本部への協力要請は拒否されました。当然ですね。 ですが、これでおしまい、とはなりませんでした。 4月1日の事案発覚時点で、財団日本支部理事をはじめ日本支部職員の大半がSCP-040-JP-Jのミームに感染していたために、防疫プロトコルは意図的に放棄、一般社会にミームが拡散する事態を引き起こしてしまいました。 しかし、何の奇跡か暴露者の増加につれ、ミームは次第に活動を鈍化させていき、7月に入るとさらに活動が縮小。 8月16日、ミームは完全に無力化し、全ての曝露者の認識が正常に戻りました。 インシデント中に発生した一連の騒動に関しては、カバーストーリー“酷暑による思考力の低下”が適用され、事後処理が終わり次第、SCP-040-JP-JのオブジェクトクラスはSafeに再分類される予定です。
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