SCP-999「くすぐりオバケ」

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SCP-999「くすぐりオバケ」

【最初に】 怖いものが多いSCPオブジェクト。 現在紹介してある癒し枠SCPはアイポッドのみです。 ですが……癒し枠は他にもいます。 そう、めちゃくちゃかわいい、くすぐりの天才が。 【概要〜人懐っこいスライム〜】 外見は明るいオレンジ色をした未知の油性物質で全身を構成された不定形で半透明なスライム状の生物です。 発声器官などは存在しないようですが、何処からか「ごぼごぼ」といった泡の音や「くうくう」といった鳴き声らしきものを発する事もあります。 オブジェクトクラスはSafe。 「可愛い顔してサラッと人殺せたりするんだろ!?」とか思ったそこの貴方に、このスライムの生態をお教えしましょう。 まず人間が近くに存在すると、すぐさまその気配を察知しズルズルと這いずるように移動して接近します。 人間のすぐ傍まで近づくと、骨格も筋肉も無い不定形の体をジャンプさせて人間に飛び掛かります。 グニグニと動くスライムにいきなり跳び付かれるだけでも人間にとっては中々の恐怖なのですが、ここでこの生物の異常特性が発生します。 この生物が体に触れた瞬間、ただ触れているだけで言いようのない多大な幸福感が生まれます。 しかもこの時、同時にターゲットとなった人間にとってそれぞれ異なる異様に良い香りを発します。 これにより対象は恐怖心を失くし脱出する行為を妨げてしまいます。 人によっては、洗濯物の匂いとか薔薇とかチョコレートとかベーコンの匂いがしたらしいです。 獲物が大人しくなるのを確認すると、体の一部を2本の触手状に伸ばして絡み付かせることでより動きを封じ、さらに追加で生やした3本目の腕で獲物の頭部を撫で回します。 遂にはそのゲル状の体を薄く延ばすことでまるで丸呑みにするかのごとく人間の首から下をすっぽりと覆い隠します。 そして…… くすぐるのです。 ……いや、食べたり…… 食べません^^ 溶かしたり…… 溶かさねえよ^^ 殺しちゃったり…… するわけねえだろ( *`ω´) 当然ターゲットの人間は大爆笑。 体をすっぽり包まれた状態なのでどんだけ悶え転げようが逃げ出すことはほぼ不可能。 笑い転げて泣きながらやめてと言ってもそう簡単にはやめてはくれません。 くすぐっている本人がめっちゃ楽しんでるんだから。 幼稚園児くらいの小さな子供が、くすぐりあいっこをしてて楽しくなっちゃって中々やめない状況を想像してみてください。 大体合ってます。 散々くすぐって満足したらようやく離れてくれるはず。多分ですが。 「くすぐりオバケ」という通称も恐らくこの必殺(?)『くすぐりレスリング』による行為から名付けられています。 もうお分かりですよね。 SCP-999は財団が収容したこの未知の生物はゲテモノ揃いのSCPオブジェクトの中でも数少ない、明確に無害で、人間に友好的なSCPです。 上記の行動も要するに単に近くにいた人間に懐いてじゃれて遊んでるだけ。 近付いて、抱き着いて、頭を撫でて、くすぐって思いっきり笑わせてあげるのが大好きなのです。 【概要〜財団のアイドル的オブジェクト〜】 特殊能力は前述のとおり、触っただけで心に多大な幸福感を発生させること。触った時間が長ければ長いほどより強い幸福感が持続します。 ちなみにこの幸福感と言うのは、ヘブン状態になるやつとかヤバい薬みたいな類のものではなく、どちらかと言うと家族や恋人と言った大切な誰か、大好きな何かが傍にいてくれる安心感からくる幸福に近いとか。 性格は一言で言えば『人懐っこい子犬そのもの』。 近くに誰かがいればとりあえずすぐに懐いてじゃれてきます。 特に落ち込んたりヘコんでる人間には積極的に触れ合おうとしており、試しにとある重度のうつ病患者を収容室に入れてしばらく一緒に戯れさせたところ、うつ病が完全に完治してめっちゃポジティブになって出て来たという実験結果が出ています。 食べ物は基本的にキャンディなどのお菓子。 アメリカ某社のウエハースと某MとMのチョコが大好物です。 会話はできませんが、ジェスチャーで意思表示するくらいには知能もあります。 さらに、他の動物(その中でも特に人間)がとにかく大好き。 大切に想う行動も多く、目の前で銃で撃たれそうな動物がいれば自分の命も顧みず、自ら銃弾の盾になったことも。 どんな人間にも人懐っこくて、落ち込んで元気が無い人を癒し、どこまでも人畜無害で愛される存在。 同じく癒し系なオブジェクト代表のアイポッドと並んで財団のアイドル的存在となっています。 ちなみに向こうは一応愛着がわき過ぎないようにという警告もされているのですが。此方はそういったものはなく休憩時間や休暇中の職員はこの子と遊ぶ事も許可されています。むしろ推奨されてる。 その特性上、日夜命懸けで異常存在に関わる職員のメンタルケアにも役立っているためでしょうね。
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