SCP-999「くすぐりオバケ」

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【概要〜VSクソトカゲ!?〜】 このオブジェクトを語る上で欠かせない話が、SCP-682「不死身の爬虫類」ことクソトカゲとのエピソードです。 SCP-999の特性に目をつけたある職員が思いつきました。 「SCP-999の力を使えば、SCP-682を鎮静化できるんじゃね?」 自分以外のありとあらゆる生命体を憎悪する無敵の怪物たるクソトカゲ。 その圧倒的戦闘力と再生力、どんな攻撃にも即座に対応・回避する耐久力と適応力によって、数々のSCPと戦いながら未だ無敗を続ける財団きってのモンスターです。 そのSCP-682の憎悪を、SCP-999の幸せパワーによって鎮静化するという作戦です。 殺すことが出来ないならばせめて凶悪性の根源を絶てないかと言う提案ですね。 そしてやってきた実験当日。多数の職員が見守る中、SCP-682の封印区画にSCP-999が投入されました。 ここから先は文章を改変し、コミカルにやらせてもらいます。 999「ごぼごぼ♪」 怪物を前にして少しも怖がることなく意気揚々と近づいていくSCP-999。 682「……なんだコイツ」 目の前にいきなり現れ自分に這い寄ってくるプルプルしたオレンジ色のゼリーを怪訝に見つめながら唸り声をあげて威嚇するSCP-682。 999「キュー!(≧ω≦)」 一際甲高い声を上げ、子犬の様にピョンピョン飛び跳ねて元気にSCP-682に跳び付こうとするのですが…… 682「ウゼェ(#゚Д゚)」 ベチンと振り下ろされた前脚によって一瞬でペチャンコにされてしまいます。 慌てて職員たちが実験を中止しようとした、のですが…… なんと踏み潰されても全く意に介してないかのようにニュルリと手の平の隙間から這い出ると、スルスルと脚をつたってSCP-682の首に抱き着き、しっかりと体を密着させると、そのまま『くすぐりレスリング』を敢行。 クソトカゲをくすぐり始めます。 直後、職員たちの目に飛び込んできたのは…… 生きた彫像でも首を折ることが出来ず、狂戦士を幾度も返り討ちにしてきた不死身の怪物が、爆笑しながら床をビッタンビッタン叩きながら笑い転げてもうやめろと懇願するという前代未聞の光景でした。 682「えっ、ちょ、なにこれめっちゃこそばゆくぁwせdrftgyふじこlp」 (おそらくこんな感じでは?と思って書きました。実際は笑い転げているのは確かですが、こうなってはいません) とうとう息も絶え絶えになり、ぐったりと床に寝そべり笑い疲れて眠ってしまったクソトカゲ。 財団きっての凶悪な怪物のかつてない無防備な姿に実験の成功を感じた職員たちは、満足げなSCP-999を回収する為封印区画に入ったのですが…… ──そこは財団員を苦しめるクソトカゲ。ただでは終わりません。 職員がSCP-999を体から引きはがしたと同時に瞬時に目覚め、笑いながら全身から謎のエネルギー波を全方向に放出。 エネルギー波を直撃した職員は先ほどのSCP-682と同じくロクに身動きできないほどの笑いの発作に襲われ、隙だらけとなった職員は即座に虐殺のターゲットとなり、そのまま封印区画からの脱走を引き起こしたのでした。 なお、この時SCP-999は逃げ遅れた職員を安全地帯まで運び一人でも救おうと尽力していました。めっちゃいいこ。 結果で言えば、当初の目的であるSCP-682の憎悪の鎮静化は出来ず、多くの死傷者も出て実験は大失敗。 ですが、ひとりの博士はこれまで見たことも無いSCP-682の姿に色々な意味で興味深さを感じ、この実験の映像資料を大至急要求していたとか。 ちなみに、目の前でこれだけの大惨事が起こってもなおSCP-999はクソトカゲを怒ることも恨むこともせず、「また一緒に遊びたい」という意思表示までしてみせた。なんというかわいいスライム。 どんなに凶悪な怪物であっても、この子からすれば他の多くの生物と同じ自分の大好きで大切な遊び相手に過ぎないのかもしれないですね。 ……ちなみに、クソトカゲからは「あの鼻水野郎はさっさと死んじまえ(意訳)」とかなりつっけんどんな反応をされています。 ですが、傍から見ればキャラ崩壊した自分の姿を人間に見られたことに逆ギレしているように見えなくもないですね。 【最後に】 ということでSCP財団の癒し枠を紹介しました。 一度でいいからくすぐられたいです。めっちゃ可愛いでしょ。 ちなみにSCP-999は抗うつ剤としての販売も検討されたりしたこともあるそうです。もちろん却下されましたがね。 次回はSCP-1045-JP「お眼鏡にはかなわない」を紹介しましょう。 文字の色が変わっていたりするので実際の報告書を見ていただきたい箇所が多いですが、可能な限りお伝えします。 教卓の上にある、真っ二つに折れた赤ペン。 そこから流れている赤黒いインクは、血溜まりのようにも見えることでしょう。 現代の「ある問題」に深く関わっているオブジェクトです、読了後に「その問題」についてじっくり考えてみてください。
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