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SCP-1983「先の無い扉」
【最初に】
幸運を。死にゆく者より敬礼を。
……というのが、このオブジェクトの名ゼリフ的な代名詞というか……まあ、そんなやつの1つです。
今回紹介するのはSCP-1983「先の無い扉」。
名も無きDクラス職員。
彼こそが、真の“銀の弾丸”だったのです。
【概要〜農家の廃屋と怪物〜】
SCP-1983は内部が異空間化している農家(SCP-1983-1)と、そこから現れる怪物(SCP-1983-2)で構成されています。
オブジェクトクラスはKeter……と思わせて、現在はおそらくNeutralized。
SCP-1983-1はカルト教団による連続殺人の後に廃屋となった農家。
先述したように異空間化しているため外部と内部の寸法が一致せず、普通なら居間に通じる筈のドアが異空間に繋がっています。
ちなみに外部から居間に穴を開けようとしたところ、その部分が異空間と化してしまいました。
その部分から後述する怪物の出現はなかったのですが、出現する確率を上げる可能性を懸念して中止となりました。
SCP-1983-2は、1.8m程の真っ黒な人型のような見た目をしている怪物。非常に気性が荒いです。
人間に接触した場合、肌などに傷をつけずに胸に手を差し入れ、未知の方法で心臓のみを引き抜いて殺害します。
殺害して心臓を手に入れた後は再び、上記のSCP-1983-1の方に戻っていきます。
倒すには、祈りを込めた「銀の弾丸」(儀式とかの類ではなく、心を込めて祈る事が重要ですよ)を撃ち込む。それしかありません。
【概要〜機動隊員投入〜】
財団はこのオブジェクトを調査するべく、何度か機動部隊を送っています。
その結果をご覧ください。
・付録1
機動部隊Chi-13の1部隊を戸口から内部に派遣させるも、帰還せず。
彼らが侵入後、正面入口の扉がすぐさま閉まり彼らを異空間に閉じ込めた。
SCP-1983-2は出現しなかった。
・付録2
第一急襲部隊(付録1で突入した部隊と思われる)の安否を確かめるため第二急襲部隊がSCP-1983-1に侵入。
またしても帰還せず。今回は正面入口の扉が閉まらずSCP-1983-2が現れたため、
エージェントモーリスが戸口から侵入して扉を閉めた。(おそらく彼も帰還することはなかった)
・付録3
一度入った場合、二度と出てこれない可能性が高いと判断したのか、使い捨て職員であるDクラス職員(D-14134)に 有線式ビデオカメラを持たせて侵入させた。
しかし、戸口に入った瞬間に映像が途切れ、カメラのコードも切断されてしまう。
まあ、当然ですよね。
このままこのSCPは対処不能のKeterクラスとして財団の手を焼くことに……
なりませんでした。
付録3の突入から数時間後、突如SCP-1983-1の怪異現象が消失。
内部を調査させると、干からびた数人のエージェントの死体と、このSCPについて書かれた非公式のレポートが見つかりました。
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