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SCP-999-JP-J「マスター・くすぐりオバケ」
【最初に】
まず最初に言います。
Jとついてるからにはこいつはジョークオブジェクトです。
ジョークをジョークと受け止められる包容力が無い方の閲覧はご遠慮ください。
【概要〜マッチョなスライム〜】
まず外見から説明しましょう。
オレンジ色…ではなく、ミルクチョコレート色の、筋肉質でまとまりのあるスライムです。
表面は未知の油性物質で覆われており、その全重量は約154kgにもなります。
SCP-999-JP-Jのポージングは絶えず変化しているのですが、大抵は大柄な中年男性のような外見です。
その外見から、不審者と誤解される危険性があるため、夜間の外出は基本的に禁止。
食べ物は主に植物性プロテインとサプリメント。自由に施設内を散歩してもいいのですが、それ以外の時は檻にいなくてはいけません。
性格は一言で表すならば「遊びたがりな犬」。
誰かが近づくと、まず全力で相手に向かってダッシュ、そのまま大ジャンプを決め、相手を3本の足でしっかりと抱きしめます。
想像してください。
大柄な人間に目の前で大ジャンプを決められ、そのまま抱き着かれる様子を。
それの正体がスライムだと知らない大体の人は、いや知っていたとしてもただものではない恐怖を味わうはず。
しかし、ここでこのオブジェクトの異常性が発動するのです。
SCP-999-JP-Jの肌に触れた人物は、例外なく急激な脱力感と心地よい痛みを同時に味わってしまうのです。
形容するならば、「良いマッサージ師にちょうどいい場所を突かれた感覚」。
しかもこの感覚、触れる時間が長い程強くなっていき、離れてもそれが継続します。なんかもうすごい。
さらに、こいつからは(人によっては)芳しい香りが絶えず出てます。
これも相まって、彼にとっての「獲物」は抵抗力を無くしてしまうのです。
そうして大人しくなった人間を「むきむき」「ぴくぴく」といった音を出しながらしばらく撫で、彼は彼自身が最も好む行動を行います。
そう。
くすぐりレスリングです。
もう正体がお分かりでしょう。
このオブジェクトの正体は……財団の癒し枠、SCP-999「くすぐりオバケ」。
クラスはまさかのThaumiel。
【概要〜どうしてこうなった〜】
なぜこんな姿になったのか。
それはクソトカゲことSCP-682とのクロステストがきっかけでした。
ふれあい実験中、「くすぐりレスリング」を敢行しSCP-682に一杯食わせたSCP-999。
ですが、SCP-682の出した謎のエネルギーにより職員は昏倒、多くが惨殺されました。
SCP-999は彼らを一人でも救おうと尽力していたのですが、彼は気付きます。
「彼らを守るには。大好きな動物を、大好きな人間を守るには。」
「己が強くならなきゃいけないんだ」
と。
一種の悟りに至ったSCP-999はある日、収容違反の隙をついて財団から脱走。修行の旅に出ました。
血の、もといゲルの滲むような修行を重ね、強敵との戦いを繰り広げ……
スライムでありながら鋼のように強靭な肉体と新たなくすぐり術を得て、財団に舞い戻ったのです。
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