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「…………それがさ、私の住んでる街……シャトニーで騒がれてる……怪盗、がいるんだ」
怪盗? そんなファンタジーみたいな存在がいるの?
もし、そんなものがソフィーお姉さんの住む街にいるとしたら……
………………、
探偵として放っておけるわけがない!
思わず私はぎゅっと拳にした手を握り、勢いよく立ち上がって言った。
「ソフィーお姉さん! 私、その怪盗についての調査をするからっ……!! だからシャトニーまで連れてって!」
ソフィーお姉さんにそう頼み込むと、彼女は私の頭に軽いチョップをくらわせた。
そして、
「おいおいアデル、それじゃあ私が此処に来た意味がなくなるだろ~が」
というご最もな突っ込みをした。
「……うぅ、確かに……」
ソフィーお姉さんにチョップされた頭を軽くさすりながら弱々しく返事をする。
するとソフィーお姉さんは半分呆れたような表情で、半分は少し悪戯っぽい笑顔でこう言った。
「アデルはいっつも人の話を最後まで聞かないで勝手に考えちゃうからね~。アデルの悪いところだけど……、可愛いから直さなくってもいいよっ」
………………。
ソフィーお姉さんの言った前半は正論だから認めるけど……、
最後の言葉は、ちょっと…………
間違ってる気がするのは私だけですか?
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