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「……お巫山戯はやめて、そろそろ話の続きをしよっか」
やはり先程のあれは巫山戯て言ったことだったのか。
一人で納得しながらソフィーお姉さんの言葉に頷く。
「でね、その怪盗が今一番街で人気のあるお店の看板に予告状を貼ってったのよね」
「予告状? …………もしかしてそれにここの街のことが書いてあった、とか?」
私がそう言うとソフィーお姉さんはにやりと小さく笑った。
「さすがアデル、話が早くて助かるよ。で、その予告状に書いてあったことなんだけど……
“来週の宵にこの店の一番の宝を戴こう。その後、隣街の宝を戴きに行く”
と書いてあっただけで……他のことはよく分かってないんだよね」
話を聞いていてまだ詳しく教えてもらってないことを思い出したのでソフィーお姉さんに訊いてみることにした。
「ねえ、ソフィーお姉さん。そのお店ってなんのお店なの? 怪盗が狙うってことは宝石店とかみたいな高価なものが売ってるお店って考えることもできるけど……人気のお店だからあまり高いものばかりのお店じゃない気がするんだよね……」
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