4月5日

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着替えて シーツと 掛け布団カバーを洗濯機へ お小遣いをもらうため 一階の部屋全部と自分の部屋に掃除機をかける 洗濯物をベランダへ干し はぁ ひと休み ベッドでごろごろ 知らない間に 寝ていて 寝返りをした時 ん? 腕に何かが当たった 目を開けると 瑞久(みく)が ベッドサイドに腰かけ本を読んでいた 瑞久はうちの家の鍵を持っている 私より家族に信頼されていて 中学を卒業してから 私を起こす役目を(にな)っている 本当は 監視役かもしれないけど 瑞久 「二度目のおはよう」 「…はよ」 「お昼ご飯どうする?」 「うーん カップメンあった…かな?」 「えーっ だったら私が作る」 「助かる ありがと」 素直に甘える 姉も 弟も部活だから帰って来ないか 瑞久の家へお邪魔する 瑞久の両親も仕事で 里都(りと)さん(瑞久の姉)は 京都で一人暮らし 私の姉と同じ年の 菜々(なな)ちゃん(二番目の姉)は部活だろう オープンキッチンで 瑞久が作っているのを見ていた いい奥さんになるなぁ 「お皿とグラス出して」 「はいっ」 瑞久が作った料理をテーブルへ置いて 「「いただきます」」 ペペロンチーノを一口 「うっま 瑞久 サイコー」 はぁ 幸せだぁ 「ふふっ(笑) ありがと」 素の私を知っているから 何も気にせず 自分らしく 全てを見せる きれいに食べ終え 「ごちそうさま」 「お粗末さま」 キッチンへ グラスとお皿を持って行き 瑞久のお皿も一緒に洗う 食器を拭いて棚へ直していたら 「アオ 私の部屋へ行こう」 「うん」 2階へ上がる 瑞久の部屋にも 少女漫画があるから 漫画なら何でも読む 瑞久はさっき読んでいた難しそうな本を開いていた 床に座り一冊読みきったから 瑞久のベッドへうつ伏せで寝転ぶ お腹いっぱいで 瑞久の部屋は居心地が良く 安心して目を閉じる 髪に何か触れた気がした 目は閉じたまま 意識がはっきりしてくる 寝てたのか ん? 瑞久が触ってるのか 「寝る子は育つね 何処まで背が伸びるんだろう」 一年前は 167だった そこから まだ伸びてるかも 瑞久は 155って言ってたな 去年からあんまり変わらない気がする 「ハァ−…あんまりカッコ良くならないで欲しいなぁ」 誰の事? ぱっと 目を開けると 瑞久の顔が至近距離に 「わぁっ」 瑞久がびっくりして離れ 私は 「トイレ行ってくる」 「う うん」 トイレから戻ってきて 「アオ アイスティー飲む?」 「飲む」 ふたりで階下へ ダイニングテーブルの椅子へ座り 瑞久にアイスティーを入れてもらい 「ありがと」 「…うん あの…さっきの聞こえてた?」 なんの事? 「?」 「うんん いいの 気にしないでっ」 それからは他愛も無い話をする 瑞久と居て全く気を使わないし 家族みたいなもんだから 瑞久が3歳の時 斜め向かいに引っ越してきて 友達になり一緒に遊ぶようになった 保育園の頃 瑞久の方が背は高く 私はチビだった 小5で 一気に身長が伸び 中学で私はバスケ部 瑞久は吹奏楽部に クラブが違って帰りは別々だったけど 行きはいつも一緒に学校へ行っていた 高校受験も 瑞久は頭が良かったから 菜々ちゃんや うちの姉と同じ学校へいけるはずなのに 私と同じ高校を受験した 理由を聞くと 近いからと言っていた 姉達が行ってる学校も 自転車で20分ぐらい 明日から通う高校は15分ぐらいで あんまり変わらないと思うけど
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