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出発の日
蒼 side
早いなぁ なんか 来週も学校行く気分やぁ
昨日 瑞久が泊まりにきてと言ったから お風呂へ入ってから瑞久んちへ
夜 やることはやるよね 瑞久可愛かったなぁ
朝もいっぱいキスをして ラブラブだった
授業終わり
ホームルームでは 最後にみんなへ挨拶をして 頑張れ 応援すると言ってくれてほんと有り難いな
瑞久と一緒に帰り 家族は誰も居なくて またすぐに帰ってくるからいいんやけど
瑞久と電車に乗り 新大阪まで見送りに来てくれて
改札の横で
「予定が分かったら 帰ってくる日言うな」
「…ん」
頭を撫でて
「頑張って ベンチに入って 試合に出るから 見てて」
「…ん」
「毎日 連絡するし 自撮りして送るから 瑞久も送ってな」
「…ん」
「あっ 忘れるとこやった」
バックパックから出した細長いケースを渡す
中は シャーペン付きボールペン
大学で使えると思って
「合格のお祝いです」
「…もらってばっかり 私 何も…あげてないのに…」
「いっぱいもらってるよ 瑞久の愛情」
「そ…れは いっぱい送ってる(笑)」
「やろっ
瑞久の笑顔が一番元気になる」
私の肩に頭を寄せてくれたから
抱き締めて
耳元で
「瑞久 大好きだよ」
「…私も 好き」
「うん 嬉しい
気を付けて帰ってな 家着いたらメッセージ送ってや」
「ん」
瑞久の手を持って
甲にキスをする
顔を見て
「行ってくる」
「いってらっしゃい」
笑顔で手を振ってくれて良かった
またすぐ帰ってくるから 悲しい別れではないから
ホームで待ってる時に
"瑞久の笑顔は最高! やっぱ綺麗だな "とメッセージを送ると
"バカ"とだけ返ってきた
ヤバい にやける
ドMじゃないけど
瑞久の事考えると やる気が出るんだよな 遠征の時もそうだったから いつも力をもらってる
私にとって瑞久は女神だから
~~~~
心配させたくないから 泣かないって決めたのに…
隣にいて手を繋いでいるのに 遠く感じて
気持ちは変わらないし 信じてるのに やっぱり不安で…
ずっと一緒に居られないのは分かってる けど 距離が…遠いよ
アオの声に 現実へ戻ると
新大阪駅の改札前に着いていた
私が泣いたら アオを不安にさせてしまう 笑顔で送り出さなきゃ
いつものふざけた口調に
私も いつもと変わらない対応で
そして 手を振り見送った
アオが居なくてもちゃんとできる自分にならないと
よしっ 行こう!
地下鉄の駅へ向かう
スマホのバイブレーションに気付き
メッセージを見て
今さら気づいたの 遅すぎ(笑)
帰ったら美容系のサイト見て勉強しよう
次会った時に 余所見できないぐらい 綺麗になってやる
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