卒業式

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卒業式

な…んで 居るの!? 卒業生代表として 答辞を読み終え 自席へ戻る時に 手を振ってる人を 疑い深く見る みんなが気を使って 席をずれてくれて 私はその人の隣に座り 「代表挨拶 凄く良かった──」 「なんで?(怒)」 「え?」 「聞いてない(怒)」 「あ いや…間に合うか分からんかったから…」 「言って欲しかった(怒)」 「…ごめん」 アオとケンカしたい訳じゃないのに そんな事で気まずくなるのは嫌なのに… 私の感情は 抑えられなかった ~~~~ 駅まで母親に迎えに来てもらい 車の中で 制服へ着替え なんとか瑞久の代表挨拶を聞く事が出来た クラブチームには 今日だけ特別に休みをもらった 式が終わり クラスへ戻る間 何もしゃべってくれなくて 瑞久の怒りを鎮める事ができない 杏奈は バカだなぁと一言 日向は 私が悪いと 紫音は 内緒にするからと どうしたらいいんだぁ 教室へ入り 先生が来るまで みんなスマホで写真を撮りだす 瑞久も行ってしまった 杏奈 「蒼も来て」 「う うん」 段々人数が増えていき 瑞久と離れてしまうと思ったら ブレザーの裾を引っ張られ 横を見ると 瑞久が掴んでいた その手を取り 前から見えないよう後ろで手を繋ぐ 小林先生が来たから 最後はクラス全員で写真撮影 撮影タイムが終わり みんな席に着き 小林先生が 「宇良戸 手伝ってくれ」 「はい」 教卓に置かれた 卒業証書を一人一人小林先生が名前を呼び手渡す 私はその助手 何でもしますよ 卒業させてくれたから 一緒に卒アルも渡し 私は…最後かな 「みんな 名前間違ってないか確認してくれたか?」 「「「はーい」」」 「…先生 私は?」 「あっ 忘れた」 「なっ」 「蒼 職員室の俺の机の前に封筒立て掛けてるから」 「マジっすか」 しょうがない 今日ぐらい走っても怒られないだろう ダッシュで職員室へ 戻ってきたら みんな帰る用意してるし 「先生 はい」 「おう ありがとうな」 先生が 封筒から出して 「宇良戸 蒼」 「はい」 「一番手のかかる生徒が みんなと卒業できて良かった」 ほんと すみませんね 「…良かったです」 「蒼は 沢山出した課題プリントを全部やりきった 本当によく頑張ったな これからも 蒼らしく 突き進めよ」 「はい」 席へ戻り 「みんな 卒業 おめでとう 立ち止まってもいいし 悩んでもいい やってきた事は 無駄じゃないから みんなそれぞれの進路へ進み 環境が変わり 楽しみもあり 不安もあるだろうけど 自信を持って前へ進んでいって欲しい 1年間このクラスの担任が出来て良かった みんな ありがとう」 感謝を込めて 先生へ拍手する 「よし みんな 気をつけて帰るんだぞ」 「「「はーい」」」 みんなそれぞれ教室を出る あっさりな感じで 解散早すぎでしょ!? 小林先生は さっさと帰って欲しそうな 晴れ晴れとした表情だ やっと私みたいな生徒に解放されて 嬉しいのか!? まぁいいや 杏奈 「蒼 行くよ」 「どこに?」 「部室 サッカー部で最後写真撮るって」 「りょーかい 瑞久 荷物一緒に入れて欲しい」 「いいよ」 一緒に入れてもらい 瑞久の鞄を私が持つ 「ありがとう」 「とんでもない こちらこそ助かります」 「アオ」 「ん?」 「おかえり」 「ただいま」
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