こいでも、恋でも

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 こっちの返事も聞かず、先輩は山門に向かって自転車を押し始めた。 「え? あ……はいっ!」  あたしは一拍遅れて、スマートな背中に答えた。  なんだ、なんだ、な~んだぁ~! 先輩わかってんじゃない、こっちの気持ちぃ~! 一時(いちじ)はどうなることかと思ったわよぉ~! ビックリさせなさんな、コンチクショ~!  あたしたちは山門下にあった石造りのベンチ横に自転車を置き、境内へ向かう石段をあがった 。
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