18人が本棚に入れています
本棚に追加
空の青さと己の青さ
友人と買い物に訪れた都会の繁華街は
私の住まう階数制限のある住宅街とは違い
見上げた空はビルと呼ばれる刃物によって
端々から不規則に切り落とされて
やけに小さな存在だった
晴れている筈の空はくすみ
使い古して色落ちした
水色のタオルで作った雑巾のように
処々がボロかった
一つに繋がり広がる空も
見る場所によって随分と変わることを知り
立ち位置の確保に右往左往する人々の
気持ちが少しだけ解ってしまい
自分が汚れてしまったように感じて
着ているシャツの袖を払った
こんな風に擦り切れたくはないと
大人に近づく自分と空を比較する
最初のコメントを投稿しよう!