歴戦の勇者VS新兵の教育係&村人AとB おや、新兵が居ない

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歴戦の勇者VS新兵の教育係&村人AとB おや、新兵が居ない

お兄が彼女を家に連れてきた お父さんは舞い上がって 不審者さながらの怪しげな動きで お兄の彼女を饗している 彼女はといえば 笑顔で対応しているけれど かなり苛ついていることが しきりに顔を下に向ける仕草から知れる お母さんがお持たせのケーキを持って リビングに参戦して来た 肝心のお兄は 彼女の好む飲み物を買いに 近所のスーパーへ出掛けている 何故 今頃 彼女を放置して出掛けるか普通? 余程のことが無い限り お兄は彼女に叱られる 或いは 泣き落とされて謝るのだろう お父さんと私を蚊帳の外にし お母さんと彼女は 当たり障りのない会話を交わす 処々にお兄の女性遍歴に探りを入れるべく 女にしか分からない暗号文が差し込まれ 彼女の家事スキルを予測しようと 女性限定のデジタル信号が発せられる 孤軍奮闘の彼女はなかなか戦上手だ 上手い論点ずらしで答えを曖昧にし 母に質問返しで切りつけている姿は さながら歴戦の勇者を思わせる これだけ言葉巧みだと お兄の様な新兵は 赤子の手をひねるが如く 簡単に制圧されたに違いない おそらくは 三十路が近づき焦った彼女は セレブな夢を諦めて 手堅いお兄で手を打ったのだろう お兄には幸せになって貰いたい だから妹として言わせて貰えるならば 初対面で腹を探り合うような そんな人をお義姉さんて呼びたく無いです
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