18人が本棚に入れています
本棚に追加
依存
自分が冷たい人間だと
気が付いてしまった時
甘えたがりの舐めた人間だと
気が付いてしまった時
臆病な卑怯者だと
気が付いてしまった時
身の置所を失った
愚かだと指をさされ
欠点を論われ
真っ当になれと責められ
優しくありたいと願った
優しくあろうと人に接し
こうして欲しいのだろうと予測し
喜ばれるように行動しても
想定外の反応に疲弊する
苦しくても許し悔しくても笑い
時間と心を貪られながら
それでも理解できない
優しさと呼ばれる感情に
悩み振り回されながら
得られた物は友情という名の依存で
生活の中に侵食し
日常を探られ
覗こうとスキを伺う
止めて欲しいと距離を取れば
『ゴメンナサイ』と謝りながら
ほとぼりが冷めるのを待ち
何処までならば奪っても良いのかと
境界線を引くことに勤しむ
守りを緩めれば押し込まれ
停戦地帯だけが厚みを増してゆく
擦り切れて癒える事無く
ジュクジュクと膿みゆく感情に
安定剤と呼ばれる
消毒液をぶち撒けて
また孤独に救いを求め
友を切り捨てる
最初のコメントを投稿しよう!